幹部
「あー。魔王城にいても退屈だから人間を殺したくてうずうずしてしょうがなかったんだよなー。」
「全くだわ。抜け出してきて正解ね。」
「いやはや、戻ったら何言われるかわかりませんぞ?」
「そんなこと言ってお前も付いてきたんだろうが。」
「おい!下を見てみろ!」
魔族が俺たちに気づいたようだ。
「あ!?なんで人間のガキとウルフ達が一緒にいるんだよ!」
「チッ!しかもエンシェントウルフがいるじゃないのよ!」
「これはこれは……」
「一旦引いた方がいいな。」
魔族5人のレベルは900〜1200だ。圧倒的にこっちが有利な状況だ。
「クソが!ここまで来て引き返すのかよ!」
すると、さっきより大きい黒い靄が現れその中から1人魔族が出てきた。
「おやおや、皆さんこんな所にいたんですねー。」
「「「バ、バルザン様!」」」
「な!?」
嘘だろ!あの魔族レベルが10000あるぞ。これも未来の俺の影響か。
「す、すみません。バルザン様。どうしても人間を殺したくて……」
「んー。君達は後でお仕置きですねー。おや?人間の子供にウルフ族ですか……なんとも珍しい光景ですねー。」
「おい!貴様何者だ!」
ゴールドウルフがバルザンと言われている魔族に威嚇しながら問いかける。
「これはこれは失礼しました。私は魔族幹部の1人バルザンと申します。以後お見知り置きを。」
執事のような振る舞いで挨拶をしてきたバルザン。見た目も執事みたいだ。
このまま戦えば負けるのはこっちだが、方法はある。嫌な影響は出ているが未来の俺に感謝だな。
「皆!行くぞ!」
エンシェントウルフの号令に皆ワオォーォンと遠吠えを上げた。
それを聞き魔族達も臨戦態勢に入った。
「ちょっと待って!」
今にも襲いかかろうとしているウルフ達に俺は待てを入れた。
「なんだ!アレン!止めるな!」
「今行ってもみんなやられるだけだ!そんなことはさせない!死なせない!」
「そんなものは分かっている!だが、戦わずして逃げるなどできん!一度約束したことは死んでも守るのが我らウルフだ!」
「そうだ!王の言う通りだ退け人間!」
グォン!グワァウ!
ウルフ達の大合唱が始まった。
「おやおや、仲間割れですか。やれやれ。これだから下等な生き物は……」
「うるせぇぇぇえ!!!」
ウルフ達の合唱がピタリと止んだ。
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