第5話

「お忙しいところ、わざわざ申し訳ございません。短い間ですが、どうぞよろしくお願いいたします」


肉付きの良い、おおらかそうなその男性は、たっぷりついたお腹の贅肉をゆらしながら、深々と頭を下げた。


今回の任務は、この商人を、とある港町まで送り届けることだった。



数時間前、クルーメンバーと再会を果たした私は、ひどく緊張していた。

なんたって、私には先日の失態がある。

皆が集まった瞬間にロベルから「私のクビが決まった」などと通告されても、致し方なかったからだ。


しかし、顔をこわばらせていた私をよそに、ロベルは簡単な挨拶の後、今日の任務の説明を始めた。

正直、拍子抜けだった。が、皆それについて触れてこなかったので、私は違和感を抱えつつも、あえて何も言わなかった。


これが親しい仲間内だったら、「この間はごめんね。でも、『新入生の心得』はちゃんと手に入れて、熟読したから、もう大丈夫。任せてね」などと宣言していたところだろうが、もちろん、そんなことは口が裂けても言えない。



「いやー、しかしかの有名なフランツ騎士団の皆さんが護衛をしてくださるなんて、感謝感激でございますよ!」


商人は、そう言って手を胸の前で組み、目を潤ませる。


「いえ、こちらこそ。大商人として名高いパーリット様のお供ができるなんて、光栄です」


ロベルは片手を自らの胸に当て、丁寧にお辞儀をした。このような時の、ロベルの所作は本当に美しい。名門「フランツ」の名を感じさせるものだった。


パーリット氏が微笑む。


「私は、商人という職業柄、野盗に馬車を狙われることもよくありましてな。普段は自ら、民間騎士団を雇い護衛してもらっているのです。

今回もそのつもりでしたが、リッツ王の並々ならぬご配慮により、このような形をとっていただきましま。

全く、身に余る光栄でございます。

皆様方、短い旅ではございますが、どうぞ、よろしくお願いいたします」


商人には、どちらかといえば胡散臭いイメージが私の中ではあったが、このパーリットという男性からは、微塵も感じられなかった。

50歳すぎの「人のよさそうな、普通のおじさん」といった印象だ。

お金持ちの有力者であることは、王と謁見できたということからもわかるが、麻のベストに綿のシャツを着る彼からは、そういう雰囲気は感じられない。


「さっ、馬車はこちらです。どうぞ」


ロベルが馬車の扉を開け、誘導する。

今回の馬車は二階建て。ロベルとパーリット氏が一階、残りの我々は、屋根のない二階に乗る。


私は、この任務に必要であろうすべての道具をリュックに入れ、さらに宿泊用の荷物も肩からかけていたため、馬車の梯子を上る際よろけ、うっかり後ろ向けに落ちそうになった。

が、後ろのカイがリュックごと手で支えてくれたため、なんとか上ることができた。


「ありがとうございます」


私は目をみて、礼を言う。


「……あぁ」


カイは目をそらし、そのまま席に腰かけた。最後に、むくれた表情のリリアが上ってきた。


「あの……、皆さん、緊張してないですか?私、ハーブティ持ってきたんです」


馬車が動きだした直後、私は遠慮がちに朝準備したハーブティをリュックから出した。

昨日パブで食事をした際、付いてきたハーブティがあまりに美味しかったので、食事後、茶葉を厨房で譲ってもらったのだ。

レモングラスとラベンダーの風味が良く合い、心をほぐしてくれる。


カイは首を振ったが、リリアは黙って受け取った。香りを嗅いだ瞬間、彼女は子供のように目を輝かせる。

両手でカップを持ち、嬉しそうにそのまま一気に飲み干した。

が、私と目が合った瞬間咳払いをし、黙ってカップを返してきた。顔は、少し赤い。


こんなハーブティごときで、私の前回のミスが許されたり、ましてやこの団の雰囲気が劇的良くなったりするとは考えていない。しかし、少しでも、プラスになる何かをしたかった。


皆が自分のことを嫌っている、そんな集団の中では、居るだけで息がつまりそうになる。心は常に痛み、一つ一つの動作がぎくしゃくする。それでも、耐え忍ばなければいけない時、それが今だ。


ハーブティには、もちろん皆との距離を縮めたいという「焦り」の気持ちもあったが、なにより、自分の心を鎮めたい、そんな意味合いで持ち込んだ。


ガタガタと馬車が揺れる。

晴天に恵まれ、気持ちの良い朝なのに、私たち3人は、一言も口を利かず、その揺れに身を任せていた。それぞれが外を眺めたり、武器の手入れをしたりしている。


本当は、昔のロベルの怪我のこと等聞きたかったが、全くそんな雰囲気ではない。


私も仕方なく、今日通る予定の道をおさらいしようと、地図を広げた。


今回の任務は、パーリット氏をリッツガルド北東の、セフという港町まで送り届けることだ。セフは中規模の港町で、リッツガルドへ物資を運ぶための貿易船が停泊する町だ。

石造りの古びた街並みが有名で、私も一度訪れてみたいと考えていた。おそらく、パーリット氏は、そこから自前の船に乗り込むのだろう。


リッツガルドとセフは、馬車で片道、大体6時間ほどかかる。峠を迂回するルートであるため、海沿いの切り立った崖の傍を通ることになるのだが、道幅は広く、見通しも良いので、あまり魔物や盗賊には遭遇しない。日頃から人の往来も盛んな街道だ。


このような、あまり危険でない任務をフランツ騎士団がやるのは、やはり新人の私と、以前大怪我を負ったという、ロベルへの配慮からなのだろう。


一階からは、パーリット氏とロベルが楽しそうに談笑する声が響いていた。二階が静かなため、話の内容もところどころ掴める。


「まぁ私も経営……のはしくれですから……わかります。従業員にいかに気持ちよく働いてもらうか。これは顧客サービスと同じくらい……要で、大切なことですから……ロベルさんもそう思われませんか?」


どうやらパーリット氏とロベルは、「仕事仲間」の話をしているようだ。


「もちろん、そう思います。私は経営者では……が、キャプテンとして、クルーを率い……務があります。クルー第一。それが私の信条です」


いつもよりトーンの低い、落ち着いた声色で話すロベル。違和感を覚えずにはいられない。


「『老舗』の騎士団長さんがおっしゃることは、やはり違いますなぁ。そういえば、昔大怪我をされたと聞いておりますが、それも仲……を庇われてのことだとか」


風景を見つつ聞き流していた会話に、気になる文脈が飛び込んできた。パーリット氏は、5年前の事件について尋ねているのだろうか。思わず聞き耳を立てる。


「えっ……あれはまぁ、すさまじかったですね。はい。ははは。今生きていることが不思議なくらいです。でもまぁ、うちの大切な白魔道士の命に比べれば、大したことありません」


白魔道士……、5年前、ロベルが身を挺して守ったのは、白魔道士だったのだ。

しかし今は、私が騎士団の白魔道士で、しかも、ホテルでのクルー達の会話によると、私の前にも2、3度代わったようだった。

つまり、命がけでロベルがかばった魔道士は、すでに辞めていることになる。

せっかく守ったクルーに辞められるなんて、複雑な気持ちだろう。


「はー。騎士というのは、大変な仕事だとは思っていましたが、いやはや、すごいですなぁ。

あなたのような立派な団長さんの下につけて、お仲間の皆様はさぞかし幸せでしょう。私も人を束ねるものとして見習い、従業員をもっと手厚く扱わなくては」


二人の笑い声が下から響く中、カイは静かに舌打ちをする。

リリアは壁に寄りかかり、不機嫌そうにため息をついた。二人とも、ロベルに思うところがあるのだろうか。

しかし、リリアは私が入団した時、「ロベルに近づくな」というようなことを言っていたし、普段からの態度を見ていても、ロベルに対して、好意的であるようだ。

でも、なんだろう。今のリリアの表情からは、好意だけではない、もっと複雑な感情が読み取れた。

 

馬車はそのまま順調に進み、峠の迂回路も、半ばまで差し掛かった。私からみて左側には、海も見える。


私の実家も、魔法学校も山奥であったため、私は海を見慣れていない。本来であれば身を乗り出し、潮風に当たり、カモメに手でも振りたいところだ。しかし、今の状況では、そんなことはできない。


せめて、この光景をしっかり目に焼き付けよう。そう思い、水面に煌めく光を眺めていた。その時。


「……おい」


「は、はい!」


いきなりカイが口を開き、私は変な声を出してしまった。


「……この道で、合っている……よな?」


「カイ、この道通ったことないの?合ってるわよ。ねぇ、あんた」


リリアが口をはさむ。私は慌てて地図を指差した。


「え、あ、はい。合ってます。一応、地図で道は追えています」


「敬語じゃなくていいから。ほら、合ってるって」


「リリア、お前何度かこの道来たことあるなら、わからないか?」


「なにが?」


「人通りが少なすぎる」


すぐさまキョロキョロと周囲を見渡す。

海鳥の声と、テンポのよい蹄鉄の音だけが響いている。

しかし、言われてみればそうだ。日頃から人の往来が盛んな街道、のはずなのに、今日はなぜか人っ子1人見当たらない。

そういえば、この1時間ほど、他の馬車や旅人とも、すれ違わなかった気がする。


「たまたま今日は、船の都合とかで港に着く物資が少なかったんじゃないの?」


冷めた声でリリアが言う。


「中規模の街同士を繋ぐ道なら、それも考えられる。が、ここは王都リッツガルドに通じる場所だぞ」


そういってカイは、顔を上げたまま、床に置いていた槍の柄に手を掛けた。

リリアも押し黙り、少し眉をしかめながら、海とは反対の、山側の斜面を見つめる。


斜面は急で、下の方は岩がむき出しになっているが、上の方は針葉樹が生い茂っている。


私も慌てて、鞄から短剣を取り出し、構えた。下の階からは相変わらず、二人ののんきな話声が聞こえる。


それからしばらく、張りつめた空気のまま、馬車はコトコトとペースを崩さず進んだ。だんだんと構えた手がだるくなり、一度下ろそうとしたその時、


「あそこっ!」


カイの声とほぼ同時に、無数の茶色い何かが、茂みから飛び出し、斜面を滑り下りてきた。

馬は鳴き声を上げ急停車し、馬車は大きく揺れる。カイとリリアはすぐさま、馬車から飛び降りる。


「パーリットがいるのは、この馬車だな!!」


そう叫びながら、それらはククリ刀を振り上げる。


「冷箭の蹄、アイス・アヴァランシェ!!」


それらを敵と判断したのだろう。

着地するかしないかの状態で、リリアは呪文を叫ぶ。

すさまじい冷気と氷の刃が、その茶色いモノ目がけて降り注ぎ、私も思わず、腕を顔で覆った。氷は確実に敵の肌を割いているはずだが、それでもなお、それらは動きを止めず、馬車を取り囲もうとする。


カイはすでに馬車入口へと回っている。私は途中まで梯子を使い、真ん中あたりで地面へと飛び降りた。


「何かあったのですか!?ちょっと様子を」


「出ちゃだめだ、パーリットさん!俺たちが守ります!」


中からパーリット氏とロベルの声がする。が、ロベルは外には出てこない。


私はカイと共に馬車のドア前にいた。それらに完全に囲まれている。


茶色いソレは、じりじりと、間合いを詰めてきた。

イノシシの毛皮のようなもので全身を覆ってはいるが、これは間違いなく、人だ。盗賊だろうか。全員がククリ刀を両手に構えている。

ドア前には三人。おそらく馬車の後方、リリア側にもあと数人はいるだろう。


三人が一斉に飛びかかる。私はとっさに身をかわし、敵の一人の背後を取った。相手が振り返るより速く、私は相手の脇腹目がけで短剣を振った。


ズッ……何かを切った手ごたえ。しかし毛皮もあり、深くは及んでいないようだ。

すぐに体制を立て直した相手は、もう一度、私に刀の刃を向け振りかぶる。


もし、相手が男性だとしたら、刀を短剣で防いだとしても、吹き飛ばされるだろう。

力勝負には持ち込めない。


私は左手で印を組む。麻痺の魔法を使う準備だ。どこを狙うべきだ?一番直接的に届く場所。相手は手袋をしていない。手首だ。相手が刀を振り下ろすその瞬間、私は光る左手の平を、相手の両手首向けた。そして叫ぶ。


「封殺しろ プラヴィリア!」


失敗すれば、そのまま左手ごと持っていかれる。どうか、それより速く!


カラン……


なんとかそれより速く呪文は効き、相手は刀を落とした。刀を支える握力を失ったのだ。


私は体制を立て直し、そのまま右手の短剣で相手の腿を突き刺した。重い手ごたえと、敵の低い悲鳴。今度は深いはずだ。人を実際に刺したのは、これが初めてだ。


と、真横を何かが横切る。カイに吹き飛ばされた残りの二人か。

背中から地面にドシンとたたきつけられた彼らに、地面から生え出したう木の根がうねうねと絡みつく。うずくまっていた私の敵にも、だ。


リリアの魔法?

ふと目をやると、リリアはすでに馬車前方に回り、手を彼らの方へ構えていた。絡みついた根は、三人を地面に縛り付ける。首を締め上げられた三人は、すでに気を失っているようだ。


「これで全部か?」


「ええ、たぶん。後ろの2人も、もう片付けたわ」


それを聞いたカイは、深いため息をついた。リリアもフンと鼻を鳴らし、手をパンパンと叩いた。


「リリア、手、傷が」


私はすぐさま、リリアの手に見つけたかすり傷に、細胞再生を促す光を当てた。リリアは黙ってそれを見ている。


カイは槍の持ち手で、倒れた敵の着ていた毛皮を持ち上げた。


「この毛皮……山賊が、獣と紛れるために使うものだな。

狙いは、パーリット氏か?

でもなぜ、この馬車に彼がいると……」


と、そこに、乾いた拍手の音が、後ろから響く。


「いやぁ、みなさんありがとう!見てください、パーリットさん!これが我がフランツ騎士団の力です!」


振り返るとそこには、馬車のドアを開け、悠々と出てきたロベルがいた。パーリット氏が後ろから続く。


「確かにすごいですな。こんな短時間で、こちらより多勢の敵を叩きのめしてしまうなんて、いやはや、恐れ入りました。ははは」


パーリット氏の褒め言葉に一応皆頭を下げたものの、一同の鋭い視線は、ただ一点、ロベルのみに向けられていた。

それに気が付いてか、ロベルは一層、早口で話し続ける。


「いやいや、加勢しようかなと思ったんだけどね。いまドアを開けたらパーリットさんを危険にさらしかねないからね。ホントに悪かった。あ、でも、俺は信じてたよ。君らならやってくれるってね」


「……ああ、正しい判断だ。ロベル」


カイはロベルと目を合わさず、さっさと梯子に足をかけ、馬車の二階へと戻った。

リリアは、気まずそうに俯いていたが、


「そ、そうよね。お客様を守ることが第一優先だものね。さすがはロベル!」


と、顔を上げ、苦笑いをしながらその場を離れた。



街に着いたのは、夕暮れの少し前。セフの街に着いたら、少し観光したいなと思っていたが、全くそういう気にはなれなかった。


私たちは、パーリット氏を港にある彼の船まで送り届けたあと、宿泊予定の宿屋へと向かった。彼と別れたあとの私たちは終始無言で、美しい石畳の情景も、私の目からは色のない、モノクロの街に映った。


今回の部屋はツインで、リリアと同室だった。

部屋に着いたあとも、私は黙ってデスクで、今日通った道順を地図で追ったり、日誌を書いたりしていた。(任務終了後には、白魔道士が日誌を書き、王に提出すること、と、新入生の心得にあったのだ)


気まずさを振り払うべく、リリアとはなにか話したいとは思ったが、「リリアは私のことが嫌い」という前提がある以上、私からは話しかけられない。

彼女は部屋に入った直後から、何も語らずベッドに転がり、目を開けたまま、天井を見ていた。


私が日誌を書き終え、それを閉じ、背伸びをすると、急に後ろから声がした。


「日誌、書いたの?」


「えっ、は、はい」


「ロベルのこと、どう書いたの?」


思わず言葉に詰まる。ロベルは、客の相手こそしたものの、戦闘には参加していない。


「……ありのままを、書きました」


「見せて」


リリアは起き上がり、ベッドのマットに座った。

私はおそるおそる、日誌を手渡す。彼女が読んでいる間、私も、自分のベッドに腰かけた。窓からは、うっすら夕陽が差し込んできていたが、雲に遮られているからか、弱々しい光だ。


日誌のこと、何を言われるか不安で俯く。リリアがロベルに好意的なことはわかっている。彼女はこの日誌を読んで、おそらくまた、不機嫌になるだろう。


ストン、と、日誌が私のベッドに投げ込まれる。私は顔を上げた。


「……まぁまぁじゃない?」


意外な言葉だった。

私は、ロベルが戦っていないことを書いた。てっきり「もっとロベルを立てるように書けないのか?」と非難されるものだと思っていた。


「これで、いいんですか?」


「いいもなにも、そのまんまじゃない」


「そのまんまで、いいんですか?その……ロベル、さんの、こと、とか……」


リリアはまたもや、勢いよくマットに転がり、足を投げ出し天井を見た。私と目を合わそうとうはしない。


「嘘は書けないでしょ?公式な文書なんだから。あんたの書き方は忠実だったわ。前も、その前の白魔道士も、ロベルを攻め立てるようなことばかり書いてた。感情まかせにね」


ぼそっと吐かれたリリアの言葉に、一瞬、心を見透かされた気がした。

それはそうだろう。だって、我々一塊の騎士が命を懸けて戦っているのに、キャプテンは戦わず、安全な場所にいたなんて、不公平感を感じずにはいられない。


キャプテンは、キャプテンであるというだけで、給与も他の騎士より多いし、地位も高い。本来であれば、その分率先して前に出るべきなのだ。

正直、私も、もっとこの騎士団の現状を上に伝えたかった。

しかし今、自分の仕事もままならない立場で、人を攻め立てることはできない。だから私は、特にロベルの行為を強調せずに、あくまで事実を事務的に、淡々と書いたのだ。


空が少し晴れてきたのか、徐々に西日が濃く、赤くなり始めた。夕陽がリリアの白い頬に差す。


「……ロベルは、病み上がりだからああなってるだけよ。

昔のトラウマから、抜け出せないだけ。だって、私の知ってるロベルは……」


自分に言い聞かせるように、リリアがつぶやく。私は、そのつぶやきに返答するべきか迷いながらも、無意識に鞄から水筒を取り出していた。


「あの……、よかったら、飲みません?ハーブティ?」


リリアはゆっくりと起き上がった。


「……ちょっとなら、飲む」


カップを両手に持ち、彼女はゆっくりと、それを口に含む。


「あんた、これからも毎回、用意してきなさいよね。これ」


その言葉を聞いた時、私の心に少しだけ、光が差した気がした。

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