第35話:料理店の盛況と夢子の退職

 7月になり、へぎ蕎麦が注文がm増えてきて、それにつれ、天ぷら、かきあげの注文が増えてきた。今年は、最初から1日1600人分、400パックの日があり、好調だった。7月26日、過去最高の2000人分500パックがでるようになり、2つの製麺機でつくるようになった。


 8月も、それ程の落ち込みもなく、順調に出荷した。9月になり、2週目と4週目の土日に2400人分600パックの注文があり、夏場は、朝から2台の製麺機でフル稼働していくような体勢をが必要だった。へぎ蕎麦は、夏と冬、他の商品が、減る時期に増えてくるので、工場も具合が良い。


 そして、10月末日で利益が16億円で、年20億円の突破が期待された。その後も順調に注文が出て1987年は最終的に21億円の利益で終了し「妻有の里」グループ従業員がパート、アルバイトさん含め300人を越えた。


 今年の正月に、達夫が、夢子に相談があると言い「妻有の里」の工場長の仕事を辞めて勤務時間を9-5時にし、休暇の取りやすいパートにして、子供の面倒を見て欲しいと話すと、わかりましたと言い、明日、広瀬社長に話してみる事を約束した。


 翌日、会社で、夫に言われた話をすると、確かに旦那さんの言うことはもっともで、店長も夢子さんに苦労をかけてるのは十分承知していて、止めることができず、了解してくれ、今年1988年3月末でパートさんにするので、後任の工場長を任命して仕事を教えてくれと言われ、了解した。


 夢子は、店長が、あまり、すんなり、了解するのに驚いたように、お願いしますと言い、家に帰ってきた。その晩、達夫さんに了解してもらったことを伝えると、あー良かったと言い、安心した様だ。


 翌日、夢子は、工場について、張本さんに、この話をして、今年3月で工場長からパートさんになりますので後任の工場長をお願いしますと言うと、驚いていた。何故、僕なんですかと聞くと、仕事熱心で、みんなに気をつかえるし、料理も上手で教えられる総合的に見ても、適任者は、あなたしかいないと話した。必要なことは全部、教えますからお願いしますというとわかりましたと言ってくれた。


 その後、機械のメンテナンスの本、在庫不足になりそうな時の対処法、製造の工程表や機械の最後の掃除や、仕事の分担表など事細かいマニュアルを書いて、手渡して、読んでもらい、もう一度、説明するという順番で、説明していった。


 1ヶ月後、仕事の合間に、復習の意味で、こうなったらどうするかという風に多くの質問を投げかけた。わからない時は、関連する資料を指示しもう一度、覚え直すように指示し、2月を終えた。


 3月になり、へぎ蕎麦が足らなくなりそうになる問題が起き、急いで夢子が作業手順を替えて、蕎麦の追加製造を優先して欠品にならずに済んだが、この事件の原因と対策を張本さんに聞くと、へぎ蕎麦の予想販売数量が少なく見積もって起きた問題なので、今後、最初にへぎ蕎麦を20%程度、必ず多めにつくることと答えたのその通りと言い、工場の製造開始の前に必ず、確認してから取り組むように指示した。


 時が過ぎて、夢子は朝9時から夕方17時までのパートになった。明日からは、家の事と、子供達を送り出して、出勤し、帰ってきて、夕飯の支度をするようになり、家族も喜んでくれた。夕方に立川のスーパーで買い物して帰るのも楽しくなり、少しずつ、仕事と家事のペースをつかんでいった。


 翌朝も、7時に起き、みんなの洗濯物を洗濯機に入れ、朝食を作り始めた。子供達を達夫が起き出すと、夢子が、私、調理師だから、いろんな料理作れるから、食べたいものをホワイトボードに書いてというと、子供達が喜んでくれ、今日スーパーでそのためのホワイトボードを買ってくると言った。峰子が、友達の家で食べた餃子が食べたいなと言うので、今晩は餃子にすると言うと、喜んでくれた。

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