第3話 わたしが死んだ

わたしはトイレに入った。

トイレは2個個室があった。

なんとなく手前のトイレより奥の方が

使われていなさそうな気がして

いつも奥を選んでしまう。


ささーっと用を済ませて

手を洗おうとした。

なんだか口をゆすぎたくて

水を口に含んで鏡を何気なく見た。






!????!???!??







一瞬にして凍りついた。

心臓が口から飛び出すどころか、

もう口より前に心臓が胸から抉られる衝撃。

頭に血がのぼってるのか

蒸発したのか

血が引いてるのか、もう分からない。



え???は???はぁぁぁぁあ????

へぇぇ???はぁぁぁあ???




脳はそんな信号発していないのに

口から水がダダ漏れた...

ただ事じゃないってわかる。

これはタダでは済まない体の異変。

31年間生きてきて、わたし多分このまま天に召されるのかな?

頭がとにかく追いつかない。

あかん!これは酔ってる!あかん!

覚ませ自分!覚醒しろわたしィィィ!!!




『ガンっっっっ』

『ガンガンガンガンガンガンガン

ガンガンっガンガンガンガンガン』

『ガンガンガンガンガンガン

ガンガンガンガンっ、ガンガンガンガン』





「ひぇぇ!?やめて!みかんちゃんやめてぇぇえええ~」

「おい、お前落ち着けぇぇぇえ!!わしらが悪かった!!すまぬ!!申し訳ない!!善!お前どうするんじゃ!!このままじゃみかんが死ぬぞ!!お前、考え無さすぎじゃ!!

この女がどんなやつか知っとるじゃろが!!意味不明な行動をよく起こしていたじゃろうが!なんとかせぃ!!」


彼女は僕の魔法で変わってしまった、

鏡に映った自分の体の異変が受け入れられず、なんと鏡に思いっきり頭をうち続け始めたのだ。

流血もしているし、鏡はバキバキ。

これで他の人がトイレに入ってきたら彼女がどうなってしまうか分からない。

そもそも大事件へと発展する!

どうしようどうしよう!!

もうだめだ!どうにでもなってしまえ!



「みかんちゃん!お願いやめて!!お願いだからそんなことやめて!!君、死ぬよ!?」

「✕〇%◇んんんんん~んんっ」


僕は彼女の前ではじめて実体化し、叫びだしそうになった口を手で塞いで力づくでやめさせた。

悪も一緒にとにかく鏡から引きずり離す。

さらに彼女はびっくりして暴れ回る。


「んんんんんん~✕〇%*☆」


「ごめんね!ほんとごめんね!!こんなこともうしないから、、、でもお願い!話を聞いて!!お願いだから!いい子だから話聞いて!!」

「っっ口の手、はずして!わかったからわかったからお願い口からはなしてぇぇぇ~えええ...うわぁぁぁぁあん」

みかんちゃんは泣きながら訴えてきた。

額からは血が流れて顔も真っ赤。

もう見るに見かねるまるでホラーのよう。

こんな悲しませてまさか頭を鏡に打ちつけるなんて思ってなかったんだ...


ごめんね、、、ほんとにごめんね。




君を喜ばせてあげたかったんだ。

君の頭の引き出しにそっとしまっていた、

君が夢見てた魔法少女にしてあげたかったんだ。





ピンクの髪の毛に大きなリボン。

星のステッキにふわふわふわのスカート。

なぜかとても似合っていた。


でも、顔もピンクの髪の毛も、

かわいい衣装も、洗面台も、

殺人事件のように真っ赤に染ってしまった...

悲惨な悲惨な殺人現場のように。





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