第28話:忘年会の仕事
山北社長からの電話で、「12月に大口の契約を考えてる会社の12月14日、忘年会に参加して欲しい」と言われた。その会社は、最近、すごい勢いで、首都圏中心に出店攻勢をかけてる、ステーキの外食チェーン店だと教えてくれた。その会社は、福利厚生のため、我が社のリゾートの企業団体会員権を5つ買ってくれる可能性があり、「大口の顧客候補で、68歳の甲斐一郎社長、たたき上げの49歳、山根達夫副社長、社長の息子の43歳、甲斐太郎専務の4人がキーマンだ」と言った。
続けて、「社長と副社長は、金に厳しく、息子も、がめつい、弱みは、奥さんと、従業員が退職する事」と話した。忘年会は、総勢35人で、その会社の居酒屋チェーン店での、忘年会の2次会を、山北社長が持つ事になっていて、もう既に、企業団体会員権1つは、購入いただいているのが、現状だと説明してくれた。
「とりあえず、攻略法について、いくつかのシナリオを考えていて欲しい」と言われ、引き受け、上手い攻略のシナリオが、考えつかないうちに、12月14日を迎えて、新宿の居酒屋に山北社長と同行して、まず、挨拶して回ると、「甲斐一郎社長が、君の会社でも、企業団体会員権1口買ってるよね」と言い、「山北社長も、欲深いね」と笑った。
そこで団体会員権1口では10人しか、自由に使えないのでと言うと、「我が社でも、福利厚生課で希望者を募って、抽選で、使わせてもらっている」と甲斐社長が言うと、「最近、若い社員が、退職するケースが多く、それを食い止めるためにも、福利厚生の充実は重要です」と山北社長が話すと、「他の3社からも、企業向け会員権を買ってとり、現在、比較している」と言い、そんな話をしていると、「副社長が最近、訪問してきて、全部欲しいと言うのは、考えが甘い」と、山北社長の話を一蹴した。
甲斐社長が、「もし我が社だけでも、企業団体会員権がなくても、団体扱いで割引してくれるとか、新しい考えでも、出れば別だが」と言うと、その話について考えさせて、「後日、条件を細かく詰めて、提出して再検討、お願いできませんでしょうか」と、池田松男が。甲斐社長に食い下がると、できるのかと言うと、今は、わかりません、「会社に持ち帰り、できるだけ、御社の、ご要望に沿った、条件で、再提出させていただくと言うのは、御社にとっても悪くないと思いますが」と言うと、「君も食い下がるねと、そう言う粘り強い営業さんは、嫌いじゃないよ」と言ってくれた。
池田松男が、「甲斐社長の一番ポイントはなんですか」と聞くと、「君の会社の施設の混み具合もあるとも思うので、空きそうな施設と、その期間を提示して、値引きしても構わないんだ、要するに、企業団体会員権と言う事で、縛られるのが、気に入らないのだ」と本音を漏らした。
「言われる事は良くわかります、御社にとっても魅力ある条件を再検討させて下さいと訴え、1ヶ月下さい」と言うと、その時、「まだ不満が残るとしたら、再度、交渉してくれるかと、聞いてきたので、商売ですから、そんな事は当たり前で、両者にとって、ウイン、ウインの関係を作ってこそ、固い絆が生まれるってもんです」と言うと、「上手い、こと言うねと、甲斐社長が笑った。
とりあえず1月15日迄には新しい提案をさせていただくと言うことで良いですね」と、再度、確認すると、わかった、「良い条件を再提出してくれ」と言ってくれた。
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