第16話:小説の勉強会3
次に石井好恵さんが、山岳小説「駒ヶ岳をの稜線の彼方に」という小説について聞くと、谷川春子さんが手を上げて、「私は、こう言う、青春小説、大好きですと言い、サラッと書いているが、リズム感のある文章で、どんどん読み進んでいけて、良い」と思います。あえて難点と言えば、「もっとストーリーの中に、抑揚が欲しい点かな」と言った。「いままで、記憶に残ってる小説って、読み始めて、ぐっと心を掴まれて、どんどん引き込まれて、ストーリーの山と谷で、ホロッときて、最後に清々しい印象が残り、最後で、グッとしまった小説が多い」と話した。この意見には「確かに、それは言える」と同調する人が多かった。
次に犬山晴彦さんの「もし、私が犬だったら」という自分があるとき、突然、犬になってしまったと言う設定で、犬目線で、人間の行動を分析したり、犬社会での掟、上下関係、裕福な家の犬、貧しい家の犬などとの友情や別れ、断絶を書いた、非常に個性的な小説だった。君島春子さんが、「この小説のタイトルを見て、今流行のライトノベルの転生ものと、小説家と思いきや、全く違い、コミカルで非常に面白い視点で、世の中を見た、秀逸な小説だ」とべた褒めした。その他の人からの評判も、すこぶる良くて、犬山晴彦さんは、「ありがたいお言葉ですが、照れるな」と笑った。池田松男が、ちょっと教えて欲しいのですが、犬山さんが小説のネタを探す時に一番大切に考えてることは何ですかと質問した。すると、ユーモアと答え、「難しい小説テーマは、多くの人が、書いてるし、競争しても、多分、かなわないと考えた」と答えた。そう言う訳で、「読者が、驚く様な物語ばかり、常に考え様になった」と言い、今回の小説も、「朝散歩している時に、犬達が吠え合ったり、じゃれ合ったり、ご主人様の顔を上目遣いしたり、不機嫌そうだったり、いろんな表情をしているのを見て、彼らは、どんな風に、現在の境遇をに感じてるのかなと、想像していたら、この小説が頭に浮かんだ」と、教えてくれた。その後、「いろんなシーンが想像して、最初にシーンと、その後の、犬の心情ををエクセルに、どんどん書き込んで、その小文の右に、犬の気持ちを想像して書き込んで、そのデーターを100以上、書き入れて、それらを、小文を整理して、ストーリーを書き上げていった」と説明した。それに対して「素晴らしい才能だと、思いますよ、多くの小説を書いて見せて欲しいものです」と言うと、犬山さんが「頑張って多くの小説を書きます」と言ってくれた。
次に、角川芳裕さんの「パブ・まどろみ」下町のパブで繰り広げられる男と女の愛憎劇、ある日、突然来なくなった、いい女の消息、若い男女の出会いと別れ、商売人の栄枯盛衰など「パブ・まどろみ」と言う名の店で、繰り広げられる、いくつかのストーリーをまとめてかきあげた物語。これに小説に対して木島俊郎は、「なんか高倉健の「居酒屋兆治」を思い出すタイトルですねと言い、飲み屋に集う人達の人間物語を1つ1つ、紡いで作り上げた小説で、なかなか面白いタッチの小説に仕上がっている」と言った。もう一つと思ったのは、「いくつものストーリーを重ねる難しさとして、時間軸の移動が激しく、ついて行けない所があって、ちょっと理解するのに時間がかかる点かな」と言った。その意見に対して「田島華子が、私は、1つずつのストーリーを、始まった時代順に、別々に、最後まで、書き終えたのは成功だと思うと言い、時間軸にあわせ過ぎると、ストーリー、そのものが不明瞭になって、読む気がしなくなると言い、その点1つずつ、わかりやすく、最初の出来事から大きな事件になる課程が上手く表現できていて、その事件のダメージを癒やすまでの物語が完成されており、良い小説に仕上がっていて、複数のストーリーを束ねる方法の一つの成功例だ」と思うと、誉めていた。その他の人からも「個性的で、斬新で面白い小説だ」と高い評価を受けた。
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