第6話:上客の海外接待

 その他、真田課長の班で、3件の新規と今井課長の班で4件の新規顧客を獲得して、良いスタートが切れた。10月になり、武井副所長に「留守の7日間、お願いします」と言って、成田からオーストラリアへ飛んだ。オーストラリアに着くと、南半球で春、ジャガランダが花盛りで紫色の綺麗な花が満開だった。ついた日の昼食後、鍋島さんに「シドニーの大手銀行に行こう」と言われ、ついていくとオーストラリア銀行の担当者サムさんを鍋島さんが紹介してくれ、名刺をいただき、彼の電話番号が書いてあり、池田松男も自分の電話番号をサムさんに教えると、「1万豪ドル以上の5年定期預金で9%の利回り」と言い「10年に約2倍になる」と説明して「1万ドル以上、預金して5年で満期を迎えると、解約して、日本円にして、日本の口座に戻せる」と言われた。英語と日本語の解説書をもらって、やり取りは電話で日本語でもできると、言われた。「多くの日本人が、既にやっている」と言い、「但し、1口座、1年間で100万円までしか、戻せないのが欠点ですけれど」と教えてくれた。


 そうしてホテルに戻り、夕食をとって寝て、翌朝7時に起きて、2パーティーで、ゴルフへ出かけた。ゴルフ場まで車で20分、季節も春、気持ちよく、ゴルフができたが、さすがに元プロ野球選手、飛距離が全然ちがう、300ヤード近い飛距離でプロゴルファーみたいで、前半から、アンダーパーで、池田は、ついていくのがやっとであり、せっかくの景色を見ることもなく、接待に専念した。


 昼食を食べると鍋島さんが「池田のスイングの欠点を治してあげる」と言い、「スイングのためがないので遠くに飛ばないんだ」と教えてくれ、「イチ、ニ、サンじゃなくて、イチ、ニーのサンという感じだ」と教えられ、言われたように打ってみると、ボールにヘッドが、強く当たった気がしたと思うと、飛距離が信じられないくらい伸びた。


 食後、スタートすると午前中の2-3割、飛距離が伸びてきてスコアも良くなり、上手になった気がした。その後、16番ホールでパー4で、池田が、第2打をピンそば3mに2オンして入れば、バーディー、みんなが終わって緊張したが、無心でパットをすると、何と生まれて、初めてのバーディーとなった。これには昼休みに、教えてくれた鍋島さんが、大喜びしてくれ、固い握手を交わした。そうして、ゴルフを終えて、風呂に入って、表彰式で、鍋島さんが池田に特別賞をくれて生涯初のバーディを祝福してくれた。


 翌日は、シドニーの市街地の見学でオペラハウスや水族館、ハーバーブリッジ

を見て回り、翌朝、飛行機でケアンズへ飛んで、1日目は、キュランダ高原列車とス

カイレールの旅で翌日は、船に乗って、グレートバリアリーフへ行き、シュノー

ケリングを楽しみ、翌日、ゴルフして、いつも100を切れない池田が何と88

という自身の最少スコアで回り、みんなも驚き、翌日、日本に戻った。日本に帰

ってから、一緒に旅行した、野田さん、池上夫婦、池辺夫婦の所に挨拶に行き、

来年の4月の切り替え時期に生命保険を切り替えてくれると言う約束をもらった。

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