第5話 「女王陛下のお気に入り」連合王国女王ものの奥深さ
映画「女王陛下のお気に入り」
・アン女王とその側近マルバーラ公爵夫人サラ、サラの従姉妹アビゲイル・メイシャムの対立を描く。
・作中で論じられている戦争はスペイン継承戦争。劇中であった和解によりジブラルタルを獲得している。
トーリー党のゴルドフィン(戦争推進派)、ホイッグ党ハーレー(講和推進派)が対立していたが女王がサラの信任を失い、アビゲイルが台頭して政権もハーレーに移り講和へと進む事になった。
大枠としては史実通り。そこに驚く。
・ヨルゴス・ランティモス監督作品(「ロブスター」「聖なる鹿殺し」)
魚眼に近い広角レンズで引いたり近づいたりする手法で撮られていて独特なものがある。また自然な感じのライティングを取っていて当時の蝋燭や暖炉が照らし出していてリアル。
エマ・ストーンの表裏持ったアビゲイル役がいい。またサラ役のレイチェル・ワイズの国を支えてきた自負からの凛々しさ。病が重くなっていく中で理性と感情の行き来を演じ切ったアン女王オリヴィア・コールマン。主にこの3人の演技合戦といえる。
三人とも歴史に残る人物で大筋はその通りの事があった。その内容に沿って三角関係をどう見せるのか。そこにポイントは尽きている。連合王国女王ものが続いてますが駆け引きの妙を示した所がエリザベス&メアリー、ヴィクトリアとの違いだろう。
この作品、初見で気合を入れてみるべき作品です。それだけの面白さはあります。
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