第4話 冒険者登録と夜桜

家を出た僕はまず洗礼をした教会のある街に行って冒険者登録することにしたので街に向かって歩いている。その途中で偶々湖を見つけてまだ自分の容姿を見たことないと気づいて確認することにしたので湖に近づいた。


湖に映っていた僕の容姿は銀髪を肩より少し伸ばした程度で前髪は目にかかるくらいで瞳は右が赤で左がオレンジのオッドアイだった。そして肝心の顔は称号の通り女顔だった。しかも前世より女の子っぽさが出て完全に美少女の容姿だった。目は若干釣り目で前世と同じとこは其処だけだった。


因みに僕の身長は日本の14歳の平均身長より少し低いくらいだ。この世界の平均身長は結構高いみたいなので僕は実年齢より低く見られてしまうらしい。


「はぁ~最悪だ」


この容姿だと前世と違って男だとわかってくれる人が居なくなってしまう。前世では男だとわかってくれる人が居たから何とかなったけど現世は大丈夫だろうか?心配だ。それとこの容姿で僕だとわかってくれるかな?わかってくれたとしても絶対に弄ってくるから嫌だ。そんな事を考えながら街を目指して歩いていた。


湖から1時間位で街まで着いた。街では昔の記憶を頼りに冒険者ギルドまで向かった。ギルドに近づくにつれ武装している人が多くなった。ギルドに入るとギルドにいる人が僕に視線を向けてからコソコソ話始めた。それを無視して右側にあった受付に向かった。因みに正面には依頼が張り付けてあって左にはギルドに併設されている酒場があって其処には昼頃にも関わらず酒を飲んでいる人もいた。


受付には並んでいる冒険者はあまり居なくてすぐに僕の番が回ってきた。受付嬢はエルフの美人さんだった。見惚れそうになったけど今は駄目だ。今度隣の酒場でゆっくり見ようかな?


「本日はどの様なご用件でしょうか?」


「冒険者登録をしたいんですけど」


「わかりました。こちらに必要事項を記入してください。代筆もできますが?」


「大丈夫です」


そう言って紙を渡してきた。僕はその紙に名前と年齢、種族を書いて渡した。受付嬢さんは僕の渡した紙を見て驚いていたが顔に出すだけで声には出さなかった。やっぱり年齢に驚いたんだろうか?


「14歳だったんですね。もっと年齢が下だと思いましたよ。それから冒険者の男たちには気を付けて下さいね。レオンさんは可愛いから襲われるかもしれないので」


「あの、心配してくれるのは嬉しいのですが僕は男ですけど……」


「……………えっ!?男の娘っだったんだ」


受付嬢さんはたっぷりと時間を空けてから驚いてから最後のほうはボソッと呟いていた。受付嬢さんは聞こえてないと思ってるみたいだけど吸血鬼になったからか良く聞こえていた。まぁ聞かなかったことにしよ……


それから少しして復活した受付嬢さんは奥に紙を持って行って少しして戻って来た。受付嬢さんの手にはカードみたいな物があった。恐らくお母さんから聞いた冒険者カードだろう。


「これは冒険者カードです。このカードがあると身分証明書に使えるので街に入るときに毎回お金を払わなくても良いようになります。登録時は無料ですが無くすと再発行が必要です。再発行には金貨1枚かかりますから気を付けて下さい。ではこのカードに血を一滴垂らしてください」


受付嬢さんはそう言いながら僕にカードとナイフを渡してきた。それを言われた通りに自分の指にナイフで傷をつけてカードに血を一滴垂らした。カードは特に変化はなかった。


「これがレオンさんのギルドカードです」


受付嬢さんから受け取ったカードには僕が紙に書いた情報が書かれていて僕がカードから手を離すと書かれていた情報が見えなくなっていた。如何やらこのカードは魔道具の類みたいだ。


「ではギルドについて説明します」


ギルドのルール

・ギルドランクは下からG・F・E・D・C・B・A・Sの8個のランクに分けられている。

・依頼を受ける時はギルドを入って正面の壁に貼ってある依頼を受付に持って来てもらえればそれを受理する。正し依頼にはランクがあり冒険者ランクより1つ上までしか受理出来ないので注意が必要。

・冒険者同士の争いにギルド側は関与しないがギルドを破壊しそうになったり生死に関わる争いはギルド側も止めに入る。

・決闘を行う際の立会人にギルド職員がなってくれて、訓練場も貸し出しもする。


ギルドについては大体わかったので僕は受付嬢さんにお礼を言って依頼が張ってある壁に向かった。僕が受けられる依頼はGランクの依頼かFランクの依頼だけでGランクの依頼は街の中の依頼しかない。恐らくGランクは孤児の子供とかがお金を稼ぐ為に冒険者になるらしいから簡単に死なない様に街中だけなんだろう。


僕はFランクの依頼の薬草採取依頼を受けて序でにゴブリンの常時依頼を受けることにした。


依頼には種類があり、僕が受けたゴブリンの討伐依頼は常に依頼している常時依頼というもので、もう1つの薬草採取依頼は必要なものを魔物を討伐しないで森などに生えている薬草など手に入れてギルドに納品する依頼を採取依頼というものと、オークなどの魔物を何処かから依頼されて討伐する依頼を討伐依頼というもので基本はこの3つの依頼がある。


その他にギルドから偶に緊急で依頼がある時がある。その依頼は大体街が被害がある危険性がある時に緊急依頼としてギルド側が出す依頼だ。緊急依頼は滅多に無いスタンピートが起きた時に出される依頼だ。緊急依頼はCランクからは強制参加で理由が無いのに不参加の場合降格する。


取りあえず受付嬢さんに依頼を受理してもらったので武器屋に行ってゴブリンを倒す為の武器を買わないといけないんだよね。昔お母さんから貰った刀はお母さんが亡くなってから森の魔物を倒していたら壊れてしまったからね。


受付嬢さんから武器屋の場所を聞いて向かってみた武器屋には僕が欲しいかった刀がなかったので諦めて街をぶらぶらしていたら偶々裏路地みたいな所に鍛冶屋があった。


鍛冶屋に入ってみると奥には眠そうにしている店員が居て僕が入ってきても変わらずにしていた。取りあえず店の中を見て回ることにした。店内を見回してみても刀は見当たらなかった。でも剥ぎ取り用のナイフはここが安かったからよかったかな?


刀が見つからず仕方ないから刀は諦めて普通の銅の剣を買ってから街の外に出た。森の中で依頼の薬草を集めて、ゴブリンを倒そうと思って街から一番近い森に来ていた。


僕は鑑定を使って薬草を順調に集めて依頼の必要数は取れたので今度はゴブリンを倒しますかね。その為に僕は森を歩き回っていた。薬草は森の入り口付近で採取していたので薬草採取中はゴブリンには出会っていない。


「う~ん。ゴブリン中々見つからないなぁ」


僕が独り言を言っていると後ろの茂みからガサガサと音が聞こえてきて咄嗟に剣を抜いて構えた。何がいるんだ?ゴブリンか?茂みからゴブリンが3体現れた。常時依頼はゴブリン5体だけどそれ以上持って行っても平気で10体持って行ったら常時依頼2回分で処理してくれるから出来るだけ早く倒して数を増やそうかな?


だからここは速攻で倒しますか。そう決めた僕はゴブリンに向かって無属性魔法を使って身体強化して速攻でゴブリンの首を切り落とした。討伐系依頼は魔物の中にある魔石を証明としてギルドに提出する事で討伐したと証明されるからゴブリンの中にある魔石を取り出さないといけないけどどの辺にあるのかな?


僕は人間の心臓あたりを探したら石みたいな物を発見した。恐らくこれが魔石だろう。あと2体も魔石を取り出さないといけないのか面倒臭いなまったく。


魔石を回収した僕はそのまま森の中に入って行った。森の中を進んでいると何体かゴブリンが襲って来たので返り討ちにしてから魔石を取りまた奥に進んで行く。それを数回繰り返した時にはゴブリンの討伐数は16体になっていた。


「これで最後っと」


いやー結構倒したよ。僕は偶々気配察知の端に引っ掛かったゴブリンの気配が気になったので其処に向かった。そこには小規模なゴブリンの巣があった。何で僕は経った1体のゴブリンの気配が気になったんだろ?


「まぁいいやそんなこと。さっさとこのゴブの巣を壊滅させますかね」


僕は身体強化を最大で掛けてゴブリンに突っ込んでいった。ゴブリンの巣が壊滅するのはそれから10分後の事だった。ゴブリンは50未満でゴブリンリーダーが1体いてソイツも瞬殺してやった。その後は1時間以上かけて全てのゴブリンから魔石を取った。ゴブリンリーダーが居た洞窟の奥には色々なものがあった。剣や鎧とか冒険者から取ったものが置いてあった。


その中には僕が欲しかった刀もあって見つけた刀を鑑定してみたら結構凄い刀みたい


魔刀 夜桜よざくら

隠蔽されていて鑑定スキルのレベル9以上ないと分からない。この刀は魔力を持っていて魔力を流すことで適性があれば持ち主として認められる。


これは鑑定のスキルレベルが9以上ないと普通の刀に鑑定されるのは凄いと思う。僕は早速夜桜よざくらに自分の魔力を流してみた。


『個体名レオンを持ち主マスターとして認めます』


持ち主として認めてもらえてよかったよ。認められなかったら嫌だよ。これからよろしくね夜桜!


『こちらこそよろしくお願いします。マスター』


え!?この声はライブラリが教えてくれる時と同じ女の子の声だった。あ、因みに僕の声も女の子の声のように高い声をしている。そんなことよりライブラリと声は同じだけど機械っぽくないライブラリみたい。


『マスター私は夜桜に薄くあった人格が【神々の図書館ライブラリ】と融合したんです」


そうゆうことかぁ。まぁでもいいや僕が欲しかった刀が手に入ったんだからね。それから僕は洞窟にあった武器は放置して夜桜だけ持って街に帰った。街に帰ってきてからすぐにギルドで報告して受付嬢さんにオススメの宿屋を教えてもらい其処に泊まることにした。そして明日この街を出る予定だ。


部屋を借りてから夜はベッドに寝っ転がりながら何処に行けば玲美に会えるか分からないので如何するか考えていた。取りあえずこの国の王都に行ってみようかな?ここから王都に行く途中にダンジョンがあるらしいから其処にもちょっと寄ってみたいんだよね。


『マスターはダンジョンに潜ってみたいんですか?』


そうだね。ライブラリと融合したから分かると思うけど異世界に来たらダンジョンには一回は行かないと!


あ!そうそう!ライブラリ?夜桜?呼び方が分からないから名前を決めようと思ってたんだよね。君はライブラリ?夜桜?どっち?


『私はどちらでもありますよ。名前を決めてくれるのは嬉しいです。良い名前をお願いしますよマスター!』


う~んいい名前かぁ僕はあんまりネーミングセンスには自信が無いから不安だけど取りあえず僕のスキルの【神々の図書館ライブラリ】から考えようかな?


「それじゃあ。ライブラリから取ってイブかな?」


『イブですか……良いですね!気に入りました!』


良かった気にってくれてこれからは名づけることが無いようにしないと僕の頭がオーバーヒートしそうだよ。まぁ今は明日以降の事を考えよ。それに疲れたから明日に備えてもう寝ようかな?イブおやすみ。


『はい。マスターおやすみなさい』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る