創世

はじまるね


ラムネ壜を傾けて

君はにっこりと笑った

残り少ない壜をからからと振って

すぐに空に視線を戻した


どーん、と低い音が腹の中にこもる

大地から体内への響き


しばらく

黙って空を見ていた


君の心臓の鼓動も

地面を伝わってわたしの体に

流れ込んでいるのだろうか


ひときわ大きい花火が上がった


間延びする打ち上げ間隔に

 ボー……

と音が聞こえた

見れば君が壜の口に吐息を吹きかけて

空を見たまま笛を鳴らしている

 ボー……

その空気の音は

どこかに発車する合図のようで


同時に弾けた花火は

宇宙のはじまりのようだった

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