第5話 反抗と危機

 馬が蹄を鳴らしている、集団が町めがけて走っている。クレイジー・ハウンドだ。

 ――来るぞ……!

 住民たちは生つばを飲み込んで、クレイジー・ハウンドが来るのを待っていた。

「野郎ども、報復だ!」

 と、馬を走らせつつ銃を向けた時だ。

「!」

 身体が浮くような感覚と激しい痛みが襲う。

 小規模の発破だ。当然、戦う事などできない。その場に倒れる。

「うわ、滑る」

 反対側ではコールタールだ。馬は転び乗車していた悪党は馬から投げ出された。

「ぎゃッ!」

 保安官が住民とロープを張る、馬は引っ掛かり、乗っていた男は馬から跳ね上がり、壁に頭をぶつけた。

 罠など仕掛けられるとは思わなかったクレイジー・ハウンドは一方的に数を減らしていった。


「ふん、小癪な真似を!」


 鼻を鳴らしていた男を除いて、はだが――。

「この男が、クレイジー・ハウンドの首領、通称ハウンド大佐だ」

 保安官が説明してくれた。

「俺たち相手にここまでやってくれるとはな、最強の賞金首とて俺様には勝てまい」

 と、ハウンドは白く黄ばんだ歯を見せて下品に笑い。

「たったひとりだというのに大した自身ですね」

 マリアが指摘した通り、クレイジー・ハウンドのほとんどは住人が仕掛けた罠に仕留められハウンドただ一人だ。

 それでも余裕を持っていられる理由はわからなかったのだが、

「奴らなど、数合わせだからな」

 と、下品な笑い声をさらに大きくして取り出したのは――


「が、ガトリング……」


 エリーはハウンドがだした銃に声を震わせた。小型のガトリング砲だ。小型とはいえ、人一人ぐらい蜂巣にできる。

「さて、こいつに狙われたら最後。どうする、最強の賞金首さんよォ!?」

 ハウンドは凄んでガトリングの引き金に手を掛けたのだが――

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