七日目 安全対策 進捗確認

弓の修復と矢を作成してから、竹を使って弓の制作を行ったが、問題が見つかったため弓の数を増やすことは早々に諦めた。


問題とは弓制作ではなく、弓の練習の方だ。

どうも矢を狙ったところに飛ばすというのは感覚的に難しいようで、熟練するために時間がかかりすぎるようなのだ。

隊長ですら早々に諦めてしまった。


一番熱心に練習を続けているのは例の若者だ。

人間より丈夫な皮膚をしているようだが、指にマメが出来て痛そうにしている。


そのため、遠距離武器の代替候補として竹ヤリと吹き矢を作ることになった。

どちらも弓矢より構造が簡単ないので数を揃えるのも楽にできた。


竹ヤリは生竹を使うので運ぶのは大変だったようだが、加工は切って、先を尖らせ焼いて固くするだけなのですぐに終わった。


吹き矢は細い竹を使うので材料の運搬は簡単だったが、加工は竹の内側を削るので少し手間がかかった。

それでも弓の制作に比べれば単純作業なので、誰でも手伝えるため難しくはなかった。

吹き矢用の矢の制作は硬い木を削った芯とグレートボアの毛を使った羽の組み合わせが一番良さそうだが、本当は金属の芯がほしいところだ。


吹き矢と投げヤリは弓矢より数を揃えられたので練習する人の数も多く、弓矢よりは感覚的にわかりやすいようで上達速度も速い。



もちろん、落とし穴掘りも同時に進めている。


ここでも竹は大活躍だ。


竹を切ってで作ったスコップで土を掘り、穴の底には竹を斜めに切った杭を逆茂木さかもぎとして設置、そして竹を割って作った細い棒を並べて落ち葉で覆い穴を隠すのだ。


時間をかけたのは間違ってゴブリンが乗っても落ちないが、大型の魔獣が乗ると崩れる強度に調整することだ。


また、穴掘りついでに共同トイレとなる穴も掘ってもらった。

ゴブリンは豊かな時代の人間達より免疫力は強そうだが、まったく病気にかからないわけでもないので公衆衛生による感染症の予防は大切だ。


安全対策を優先していたので、この間は食料調達があまりできていない。まだ、蓄えがあるので大丈夫だが栄養価が偏るとよくないのでそろそろ食料調達も本格的に再開する必要があるだろう。

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