第41話 きゅうり
数年前の夏、きゅうりを沢山頂いた。
どこの仕事先にお邪魔しても、「沢山取れたので、どうぞ~」とか言われ、7、8本のきゅうりを頂く。そのきゅうり、只者ではないのだ。スーパーで売っている通常の1.5倍から2倍の大きさなんだ。
それが、毎日1週間も続いた。後半は、もう、きゅうりを差し出される時に、一歩心の中で後退りをしていた。きゅうり恐怖症になるのではないかと思った。
(ま、また、きゅ、きゅうり……)
頂く際、もういりません、とはなんとなく言えず、ありがとうございます、と言ってもらい続け、我が家の冷蔵庫はきゅうりに占領されていた。
夫はきゅうりが好きだ。
まんまきゅうりに、味噌をつけて食べるのが一番のお気に入り。でも、消費量としては1日1本。
(どうしよう……)
あんまりインターネットで調べ物をしてこなかったが、ここはもうグーグルに頼ろうと思った。調べてみるとあった。
「きゅうりの保存の仕方」
薄切りにして、塩をふり、水気を絞る。そして、小分けにして冷凍すれば、ポテトサラダとか、きゅうりの酢の物に、約1年だったかもち、いつでも使えると書いてあった。
早速、実行に移す。始めてみれば、どんどんきゅうりが冷蔵庫から減っていくのが楽しかった。腱鞘炎になるほど、きゅうりを薄切りにし、冷凍保存した。
それから、せっせとポテトサラダとかに入れて使って、秋ころには、きちんと彼らを消費したのであった。
「ふふふ! もうわかったぞ! きゅうり対策OKだ! どんなに、きゅうりが来ても ばっちこい!」
と、思ったんだけど。どうしたきゅうり? それからあんまりもらわないんだ。そして、今年はきゅうり、0本である。
とうしたきゅうり?
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