第17話 色気
西さんのエッセイ集の1つに「色気入札中」というのがあった。うん。確かに。西さんは、色気ある女性というよりは、少女のような女性だ。
*
西さんは、飲み会の席で、男性たちが皆、ある作家のことを「エロい~!」と言った時に、そうだろうか? と疑問に思い、どうして男性がその人を、「エロい」と思うのかを考え続けた。今まで出会った女友達で、男性がエロいと言った人たちを、次々と思い出して、結果にたどり着いた。
エロい女性は、
1.死の予感を感じさせる。
2.少しの謎を身にまとっている。
ふむふむ……。なるほど……。それでか……。
主人は、数年前まで、私が具合が悪くて、ソファーの上やリビングでだらーとしていると、通りすがりに「エロい」と言うことがあった。
勿論、私はそんなこと意図してない。これっぽちも。
ただただ死にそうに疲れていた。いつも死の予感を漂わせていたのだ。
それに加え、私は、究極の不思議ちゃん。
彼にとっては私は、未だに神秘的らしい……。
ちょっと、どうかしてる……。私が?
ただ、元気になった今、「エロい」とは一切言われていない。
私は、今や、ただの変わり者の嫁である。
最近、よく笑う私の傍を主人が通りすがり言うのは、「めでたい人だね~」だ。
だいぶ、色気から、遠くなった気がしてる。
でも、元気に生きている。
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