第20話 色と形
書くようになってから、自己観察するようになり、自分は色と形に特有の「こだわり」を持っているということが分かった。
洋服にも日常品にも見るもの全てに、この特有の感覚は働く。
例えば、タバスコのあの瓶の形はすごく好きだ。オリーブオイルを買うときも、ジャムを買うときも、いちいちその瓶を見る。用もないのに、お酒の瓶を見にお酒のコーナーを見て回る。素敵だ。特にカシスの瓶は好きだ。あれは時々買ってオレンジジュースに入れて飲むけれど。
やはり、私にとって色と形は大事である。
*
だからだろうか、海外から帰国後、イライラした。
日本女子は、ワカメちゃんかっ!とツッコミたくなるようなミニスカートを履いて歩く。何を履こうが自由だ。だが、ミニスカートからは、太い足が出ている。寒い時は鳥肌。なぜ気候を考慮しない? そして、足元のハイヒール。歩き方はぎこちなく、膝が折れていて、姿勢よく歩けていない。おまけに、駅の階段を上るときはいちいちそのスカートの後ろに手を当てる。「見ないで~」っていうその手をみて、イラっとした。「んなら、そんなもん履くなやっ!」と思う。
非合理的。そしてあちこち形が悪い。もともこもないのである。
必死に流行りを追う子達は、冬に生足にミニスカートやショートパンツを履く。日本女子の大半は、いずれ冷えで婦人科系を病むだろう。少子化に拍車をかけるじゃないか、と危惧している。
スキニーパンツが流行りだした頃。日本人の太くて短い足にスキニーパンツは、私にとってみたら、イライラの連続だった。
「モデルみたいに、足が長くて、お尻も綺麗で、芸術的だからラインを出すの!」 と思ってしまう。
他人に厳しい自分は好きではない。もっと、柔らかく生きたい。だが、色と形についてのこだわりは、ほぼ生理的なものだ。自分ではどうにもならない、と、思う。
だから、パプリカは好きだ。色と形がいい。
ビタミンCも豊富。彩もいいし、サラダでも、炒めても美味しい。非常に合理的、かつ、芸術的だと思う。
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