陽と陰と冷と暖と…

黒猫

第1話 こんな感じで始めよう

今の世界は実につまらない……


何故かって?そんなのわかりきってるだろ?人は自分の都合のいい面でしか他人を見ない。

だから俺は、みんなが描いている理想像を演じなければならない。

それが、俺の使命であり、この茂川家に生まれてきたものの定めなのだ。


「ねえ、茂川君。今日の放課後とか暇かな?」

「そうだな~。…うん、今日は特にないよ」

基本的にこういった媚媚な女だったり、男の凄さ=自分の魅力 みたいに考えてる女の誘いには乗らないのだが、たまには乗らないといけないのがネックだ。


はぁ…、こんな奴ら目指しだけで消せるってのになれ合わなければならないなんて…

ワンチャン予定を決めなければ行かなくていいかもしれないというので俺は席を立った。


「ふぅ…」

そこそこ高さのある木に上り休憩していた。

「…いじめか」


Q この世界で一番いらない生き物は何ですか?

A 人間 :知能を持っていながら同族を殺害していく。これが一番でなくて何が一番か


「っ…よりにもよってあいつかよ」

教室がしっかり移る場所にスマホを固定し録画しておく。

のちにこれが重要な役割を果たすだろう…


木から飛び降りた後に最短距離の雨水を地面に落とす管を伝って教室の窓をノックした。


いじめていた中の一人が確認のため窓を開けた瞬間に転がり込んだ

「お前ら、そんなんして楽しいか…?」

俺のことを兄のように慕ってくれていた、幼馴染がボコボコにされているのをみて素の声が出てきた。


「お前ら、生きて帰れると思うなよ…?」

「こいつが悪いのよ、茂上君と幼馴染だから。ねっ?みんな?」

人間ってのはこういった場面に出会うと平気で人を裏切るからな、面白いものだよ


「わ、私たちはもともと乗り気じゃなかったし。ね?」

「うん。流石にやり過ぎだよね。止めてくれてありがと茂上君」


ほらな?こんなもんだよ人を貶めることで仲良くなったつもりの奴らは。


「まあ、どっちにしろお前らをただで帰すつもりはないからな」

「いいの…?ここで、私たちが叫んだら悪者になるかもよ?」

「そうだな…、それはそれで仕方ないとあきらめるさ」

「へぇ…」

ニヒルな笑みを浮かべ叫んだ。

すぐに教室に人だかりができ教師も来た。


「それで、君たちも茂上君に襲われそうになったのかね?」

「そうなんです…。怖くて怖くて…」


あらあらまあまあ、勝ち誇った笑みをしちゃって、自分は無実だとだませてるつもりなんだろうな~。こういうやつを見てるのは心底楽しい。


「茂上君は何かいうことあるかね?」

「そうですね。真実を伝えますよ」

俺は走って木に固定していたスマホをもって戻ってくる。


「これが真実ですよ」

彼女らはニヒルな笑みから絶望に変わっていった。


「…っ。わかったありがとう。これについてはPTA会議を急遽行うことにする」


明日には、こいつら3人はここにいないんだろうな…

まあ、どこに行っても逃げられないけどさ…

だって、表のトップと、裏のトップとお知り合いでね、頼めばすぐに調べてくれるんすわ。

俺に本気を出させたお前らに非があるんだぜ?悪く思うなよ


「大丈夫か?」

「あ、あ…り…が…」

倒れてくる美月を抱きとめ保健室へ向かった。


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