第3話 知らない天井だ

目を覚まして最初に驚いたのは、そこが家であった事だ。


「知らない天井だ…なんてね。」


ここはどこだろうか、森で行き倒れていた自分を助けてくれた……のだろうか。

それとも寝ている間に獣に食われ、ここはもう死後の世界、なのだろうか。


そんな益体も無いことを考えていると、部屋の扉が開きメイド服の女性が入室してきた。

歳は20代後半に見える。艶やかな黒髪と鮮やかな紅の瞳が美しい、出るとこは出ているのがメイド服の上からでもわかる。そんな邪なことを考えていると、


「お目覚めになられたのですね、ちょうどいい。貴方に聞かなければならない事があります。」


「あっ…はい。 どうぞご自由にお聞きください。」

綺麗なメイドさんに話しかけられて、緊張で変な喋り方になった。


「貴方はここに来る前のことを覚えていますか?」

「はっ、はい。…森で迷って夜になったので眠って起きたらここに居ました。」


メイドさんの射抜かれる様な瞳に晒されながら、質問に答え続ける。


自分の名前 家族構成 故郷の名前 親の職業等etc...


世界で一番大きな国の名前を聞かれた後、メイドさんからとんでも無いことを聞かされる。


「世界で一番大きな国は、我が国レーヴェガルドです。もしかして貴方は、マレビトでは無いですか?」

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