第16話 そして繰り返す

俺はサリアの手を優しく握った。

「大丈夫。今はレイラさんもクルトさんもいる。4人集まれば文殊の知恵って言うだろ?あれ、3人集まれば、だっけ?まあそんなことはどうでもよくて…それにあの2人強そうだし!」

俺は語彙力ないが、精一杯サリアを勇気付けた。するとサリアも応えてくれた。

「うん、賢治君がそう言うなら、きっと大丈夫だね!」

素直な子で良かった…。

「クルトさんさっき前衛やるって言ってたよな?俺達はこの辺から攻撃すりゃいいのかな?」

「多分…。」

クルトさんとレイラさんはギガントボアと凄じい戦闘を繰り広げている。まさに激しい攻防…。

しかしその時だった。

「賢治君たち!!危ない!!」

クルトさんが急に俺たちに叫んだ。

「ん?」

俺は状況が読めなかった。でも一瞬の内に今まで感じたことのないくらいの強い衝撃が俺を襲った。

そして視界が真っ暗になった。



「……ん?」

目を覚まし、辺りを見回した。俺はどこかで見たことのある部屋にいた。まさか…。

「お目覚めになりましたか?」

聞き覚えのある女性の丁寧な口調。

嫌な予感的中。

「おい、ここってまさか…」

「はい。リサシテーションルームでございます。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る