第7話 微笑み
俺達2人は街に戻ると急いでサリアの家に向かった。
家に着いてサリアがドアを開け、サリア父に慌てて状況を報告する。幸いサリア父はまだ飲みに出かける前だった。
「大変だよお父さん!山へ向かう途中の野原で見たことのないバケモノが出てきて私たちを襲ってきたの!」
それを聞いたサリア父は当然驚く。
「本当か!?怪我は無いのか?」
「うん!賢治君が助けてくれたから大丈夫だったわ。改めてありがとう賢治君!」
「いえいえ!それにしても何だったんだろうな…あのバケモノは…」
するとサリア父が話し始めた。
「もしかしたら、そいつは最近噂になってる新種の植物型モンスターかもしれん。俺みたいに武器屋やってる同業者達の間でも、客から『食虫植物みたいな奴に勝てる武器作ってくれ』って依頼が増えてきたみたいでな…。今後脅威になる可能性は十分ある。」
「そうなんですね…」
俺は話を聞きながらさっき会ったバケモノの事を思い浮かべた。かなり巨大だった気がする…。そういやこれってゲームの世界なんだから倒したらそこそこ経験値とかもらえるのかな…。でもどうやって倒すのかわかんねえ…。
俺が黙ってあれこれ考えているとサリア父が再び話し始めた。
「これ以上お前たち2人を危険な目にあわせる訳にはいかねえ。賢治の新しい装備の材料は俺が今から会う予定の同業者の飲み友達の店に頼んで仕入れてみる事にする。賢治、初めて会った時は不審者かと思っちまったが俺達の家庭事情にも助言をくれたり、サリアの命を救ってくれたり…本当に色々とありがとうな。」
俺は照れ隠しに笑顔でこう言った。
「俺の武器、とびっきり強いの作ってくださいねっ!」
「おう!任せときな!賢治にピッタリの強い武器作ってやる!」
サリアは俺達の会話を聞いて嬉しそうに微笑んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます