第124話 国会対策 3

「養子・・・そうだったんですか」


「そうだ。大学卒業後、公務員になる時に父親が戸籍謄本を渡す際に教えてくれたんだ。最初は正直びっくりしたが、幼少の頃から育ててもらった父親は本当の父親だと思って感謝している」


「だから中居先生には、お父様のような超能力が無いのですね」


「恥ずかしい話だが、養子の私はカタカムナ族の末裔ではないし親父のような能力も無いんだ」


「そんなこと、恥ずかしがることやおまへんで」


「そうなんだナ。たとえ超能力が無くても先生はみんなから尊敬されてるんだナ」


「なんか、君達に応援されるとは思わなかったな。でもありがとう。感謝するよ


「大丈夫よ先生。心配しなくても先生は心が清いから、きっとすぐにミスマルノタマを纏えるようになるわよ」


「ありがとう。何か元気が出るよ。ところでさっきの話の続きなんだが。摩耶さんが国会の答弁の後、危険にさらされる事は無いのかを考えよう」


「それは・・・確かに帰り道は心配なのよね」


「ほな、摩耶はんが東京に行くときにはあれを使いまっか?」


「うん。そろそろ必要かもしれないんだナ」


「あれとはなんだ?」


「バリアの強化よ」


「バリアの強化?」


「はい。摩耶ちゃんはすでにミスマルノタマを身につけることができます」


「そうだな」


「このミスマルノタマは前にも言ったように思念のバリアなんです」


「それは以前に聞いて知っている」


「要するににや、思念のバリアを物理的なバリアに変えまんねん」


「物理的なバリアとは?」


「簡単な話、自分を中心とした球体の鎧をイメージしてもらったらいいんだナ」


「要するに、ミスマルノタマの中にいる人間はナイフであろうがピストルであろうが外部からの攻撃を受けても安全なように変えることなの」


「そうか、ミスマルノタマはそんな使い方ができるのか。それならバリアの中にいる摩耶さんは安全だな」


「そうなの。安全なんだけれどもそれを使うとかなり意識を集中する必要があるので、使用後はかなり疲れるのよね。摩耶ちゃん耐えれるかな?」


「大丈夫なんだナ。こんなこともあろうかと思って前から小型の思念増幅装置を作ってあるんだナ」

 そう言って星はポケットから万年筆大の装置を取り出した。


「なんやそれ?新しい装置を開発したんか?」


「うん。この装置のボタンを押せば、体力を消耗しないで思念のバリアが物理的なバリアに変わるんだナ」


「あら、星。気が利くわね。これを使えば摩耶ちゃんは疲れなくて済むわね」


「やるやんけ、ワレ!これで摩耶はんは安全やな」

 と秀は星の背中を叩いた。

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