第30話 翌日 地学の授業
「あーあ。ムシの授業かー」
「もうエスケープやな」
「あー!かったりー」
教室内が、だれまくりこの上ない。
生徒は教師の本質をすぐに見破る。
「ムシ」こと中村の授業はもはや誰も聞いていない、いわゆる無政府状態である。
「・・・であるから惑星は太陽から順に水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星と並んでいます・・・」あいかわらず生徒のほうを向かず教科書を読むだけの中村。
「はーい!修正!って、そもそもみんな授業聞いてる?」
「いや適当!」
弁当を食べていた広川が答える。
「俺も」
トランプをしていた足立が答える。
「じゃあ、私がやるわ!中村先生タッチ交代。あなたは私の席に座って聞いててね」
教壇から安堵したような顔をした中村とメグが交代する。
「おー、メグが授業やるのか?」
「これは面白そうやな」
トランプをやっていた後ろの席の生徒たちが前を向いて座りなおす。
「中村先生!水星、金星、地球、火星までは正解よ!問題はここから」
とチョークを取って黒板に向かうメグ
「1.5倍の法則」
と大きくチョークで書いた。
「まずは太陽と水星の距離を1とするわね、いい?すると太陽と金星の距離はその距離の1.5倍になるの。さらに太陽と地球の距離は1.5倍、同じく火星と太陽の距離はその1.5倍になっていくの」
太陽を左端に書き順に惑星の位置を描いていくメグ。
「そうなのか」
「なんでもよく知ってるな!メグ」
「ありがとう。このように1.5倍間隔で惑星が規則正しく並んでいることはこれでわかった?問題はここからよ。次に1.5倍した場所には実は惑星がないの。そのかわりアステロドベルトっと言われる小惑星群があるだけ。そして無視してさらに1.5倍すると木星があるの。あとは同じように1.5倍づついくと天王星、海王星、冥王星と規則正しく続いていくのよ」
「ほえー」
「惑星にはそういう規則性があるんだな」
クラスメートたちが感心して聞き入る。
「そうなの、しかし授業ではさっきのように火星の次は木星と習うでしょ?これは試験対策用にとりあえず覚えておいてね。しかし本当はさきほどの説明のとおりに火星と木星の間には小惑星群が漂っている・・・桐山君ここで立てれる仮説はなに?」
「昔、その場所に惑星があった・・・?」
「はい!ピンポーン、そのとおりよ。ここには過去には惑星が存在したの」
「本当?」
「なぜ小惑星群になったの?」
小動物を思わせる坂本が質問した。
「いい質問ね坂本ちゃん」
「あの・・・そんなことは大学では習ってないけど・・・」
先生である中村がまるで生徒のように座って手を上げる。
「だ・か・ら、そろそろ真実に目覚めなさい!中村先生!」
「イイぞ、イイぞ、メグ!」
「この場所にはむかし、木星とほぼ同じおおきさのカタカムナ星が存在していたの。それが20万年前にディープインパクトがあったの」
「惑星衝突か!」
「そう、直撃だったの。こればかりは、どう計算しても避けれなかったの」
「なるほど、そこでぶつかって四散したわけか?」
「そう、で私たちは母星を捨てて衛星に移住したの」
「カタカムナ星には衛星がいくつあったの?」
「4つよ」
「そのうちの1つの内部を空洞化して宇宙船に改造して当時の人口2億人を疎開させたのよ」
「え?どこに疎開したの?」
「あななたたち、夜見てるじゃあないの?」
「え、って?」
「まさか?」
「月?」
「そう、月よ。みんなが見てる月は実は内部が空洞になっている私たちの宇宙船なのよ」
「そんな馬鹿な話は聞いたことがない」
中村が苦笑する。
「中村先生は黙って聞いててね」
「それで月に乗って地球に来たのがその・・・カタカムナ人なのか?」
クラスメートの質問に熱が入る。
「ホイ!星、技術屋さんのあんたの番よ」
「それでは、ここからはぼくかま説明するんだナ。まず現代人は何でこんな簡単なことに気付かないのかよくらからないんだナ・・・」と星は黒板に向かってチョークを取った。
「月の疑惑」と彼はまず大きく書いた。
「天文学を昔、教えたけどこのあたりのことが現代人にはまだ理解できないのかナ?」
1 ますはそのサイズである。
太陽系にある他の惑星に付随する衛生のサイズはごく小さいサイズであるのが普通であるのに対して月と地球のサイズ日は8:1と非常に大きい。
ちなみに月は準惑星の冥王星よりも大きいサイズであること。
2 次に地球から月と太陽の距離である。地球から月の距離は月の大きさの400倍の太陽と比べてちょうど400分の1の距離にある。
すなわち地球から見た場合に月と太陽は同じ大きさに見えるのはこの理由によるものである。この絶妙な距離の偶然性は自然界ではありえないことに気付くべきである。
3 月の公転周期と自転周期
月は28日間で地球の周りを一週回る。つまり公転周期は28日になる。
しかし自転周期も28日なのでいつも同じ表面を地球にさらしている。
逆に言えば月の裏側はいつも背にしているので地球から見えることはない。
この絶妙な偶然性も自然界ではありえないことに気付くべきである。
4 質量
月の質量はそのサイズから比してあまりにも小さいとされている。
ここから「内部空洞説」が現れるわけであるが実際NASAが月面で人工地震を起こして計測した結果「ゴングか寺の釣鐘」のように振動がいつまでも長く続いたようである。
このことは表面だけが金属で覆われている可能性が非常に高い証拠であるのに人工物と気付いていない。
このように自然界において天文学的な偶然がしかも複数重なっている状況を前にするとそこに何者かの「意思」を感じざるを得ない。
以上のように月は「意思のある誰か」によって作られた人工物と言い切ってしまえば全てが解決するシロモノなのである。
しかし正統を主張する学者たちは頑なにその意識改革を拒否している。
「まあ、こんなもんかナ?要は月はぼくらの作った人工物なんだナ。中村先生、試験にはでないけどよろしくなんだナ」
メグと星の授業はまだまだ続くのであった。
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