第131話 「宝船」本番

このような馬鹿な話を書いてると、時々思うことがある。


おそらく現代の人間からすれば「嘘じゃないか」とか「そんなバカな話はありえない」とかって言う声が聞こえてきそうである。


しかしここで誤解されないようにあえてはっきり言っておく!

小心者の俺は、これでもまだ全ての80%くらい控えめに書いてるつもりだ。


実際は、この物語ではとうてい書けないような卑猥なことやひどいことがあった時代こそがバブル時代なのである。

まるでローマ時代の末期だ。


心して聞いてほしい。



「黒チン危機一髪」ゲームは終わった。


後のわれわれは、三々五々部屋に戻って眠りにつくのであるが読者が期待してるようなエッチな展開には決してならない。


なぜかと言うと、我々男性陣は「支店の女の子に手を出す」と言う事は非常にリスクを伴うことがわかっていたからである。


もちろん女性陣から我々を狙って執拗な攻撃は受けるのであるがよほど彼女を「現引き」する覚悟がない限り我々男性陣はかたくなに拒んだ。


ここまで書くと読書は「なんと紳士的な男性陣だな」と思われるであろうが、とんでもない!


なめていただいてもらっては困る。


実はこの「人のふんどし作戦」は俺にとってはある「大作戦」の単なる予行演習なのである。


何の予行練習かということを今から述べる。


何度も言ってる通り、我々証券マンは毎晩のように新地のクラブ行ってはホステスと客とどんちゃん騒ぎするのが日課であった。


しかし人間というものは贅沢なもので、毎晩同じ環境下で同じことをするのはやはり飽きてくる動物だ。


ある時クラブのママに俺は提案する。


「ホステス全員で小豆島まで一泊二日のクルーザー旅行に行かないか?もちろん全費用は俺たちが出す」


するとママはやはり商売人である

「1日店を閉めるとなったらその日の売り上げを保証してもらってもいい?」


「そんなものは安いもんだ、どっちにしても店に来て騒いだら同じような金額を払うつもりだから似たようなものだ」


このように交渉が成立して、クラブの美人ホステス10名をクルーザーに乗せて小豆島まで行くのである。


しかし、この時の男性陣は他の証券マンではなく俺の大切な顧客を10名厳選して連れて行くのであった。


まあ「10:10」のネルトンだと思ってくれたらわかりやすい。


もちろん顧客の中にはクルーザーの所有者である牧野社長や別荘の所有者である青木社長も同行している。


その他は、これからもう「ひと押し」で顧客になろうとする社長や病院の院長先生、資産家などが顔を連ねる。


クルーザーの中では10名の男性陣が各に名刺交換をしてビールを飲みながら株や不動産の話で盛り上がっている。


そこに原色の派手な服を着た若い姉ちゃんたちが車に乗ってやってきた。

その中にロシア人が1人混じっていたの覚えてる。


今まで静かだったクルーザー内はホステスの姉ちゃんたちの嬌声によって小学校のクラスのように変わった。


「すごいわー」

「大きいわねー」

「これがクルーザーなんだ」


など銘々に各部屋を見たり、二階の操縦席に行ったりしてはしゃいでいる。


さあいよいよ美人姉ちゃんたちを満載した「宝船」の出港である。


あらかじめ用意しておいたシャンパンを全員に配り「乾杯」と言う声でパーティーが始まる。


夜のクラブとは違い、昼間の太陽の下で高級クルーザーに乗った興奮からか姉ちゃんたちは店の中よりもいい笑顔をしていた。


合格だ。


俺は嬌声を聞きながら相変わらず運転席で操縦係だ。

隣にはママが座っている。


俺はママに言って「そろそろ着替えタイムだ。よろしく」と言う。

ママは「了解」と言って姉ちゃんに「1人ずつ部屋に入ってビキニに着替えて来い」と言うことを指示する。


計算どおり30分後には「ビキニパーティー」に変わる。

一気に盛り上がる投資家たち。


酒が回ってきたのであろうか、クラブ同様に投資家の膝に乗り酒を飲む姉ちゃん達も出てきた。


明石海峡を過ぎたあたりから、開放感を抑えきれなくなったのであろうか突然ロシアの姉ちゃんがビキニの上を脱いだ。


「こいつはロシア版 天女木下だ!」

俺は思った。


いきなり豊満なロシア製乳房があらわになる。

綺麗なピンク色の乳首が印象的だった。


これを見た船内は拍手喝采で一気にまた盛り上がり酒が進む。


天女ロシア人に触発されたのか、負けじと和製乳房もあちこちであらわになっていく。


船内で乳房版「日露戦争」が勃発する。


この展開に大満足の投資家たちを見て「やはり夜の世界のプロに任せて良かった!」と俺は胸をなで下ろした。


「餅は餅屋だ」


そうこうしているうちに目指す小豆島が見えてきた。

そして青木社長の別荘がだんだん近づいてくる。


「わー凄い!」

「社長の別荘なのー?」

「リッチー」


さらに盛り上がる乳房丸出しの姉ちゃんたち。


さあ、この後の展開がここでは書けない「残りの20%」の部分である。


真昼間からすでにこの状況である。


あとはみなさんで想像していただければ幸いである。



因みにこの「宝船」ツアーは非常に好評でその後も何度も多方面からリクエストされた。


もちろん、この日のターゲットであった8名の投資家たちは瞬時に俺の顧客になったことは言うまでもない。














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