第118話 狂宴のメッカ「デッセ・ジェニー」
バブル時代、大阪難波にその昔ディスコで「デッセ・ジェニー」という店が鳴り物入りでオープンした。
1987年にオープンだったように覚えている。
まあ、東京で言うところの「ジュリアナ東京」みたいなものをイメージして欲しい。
あの扇子持ったギャルが「ノーパン」でお立ち台で踊る「ジュリアナ東京」だ。
たださすがに大阪だなと思ったのはここの経営者は漫才で有名な吉本興業で、当然吉本興業ビルの中にあった。
しかも名前の「デッセ・ジェニー」っていうのはかっこよさそうに聞こえるがひっくり返して読むと「銭でっせー」となる。
明石家さんまが考えたというこのネーミングセンスがもうバブルを象徴している。
このディスコの特徴は他のフラットなディスコと違って映画館のような階段状のスロープがあり1番下に大きなステージがあった。
特色としては明石家さんまやハイヒールモモコなどの吉本芸人の被り物を被って踊る輩がいたが以外と中身は素顔を見せられない本人ではなかったろうか。
世の中にはまだ「クラブ」と言う名前が浸透していなくて若い男女が狂乱して踊る場所はディスコと呼ばれた時代の最後である。
話を本題に戻す。
先輩の命令でナンパを実行し高級レストランに連れて行ったわれわれは最後の仕上げとして必ずこの「デッセ・ジェニー」に連れて行ったのである。
オートメーション化されていた。
この頃にはすでに我々の金融マンと言う位置づけと巧妙な対話によって彼女たちはでたらめな俺たちのことをかなり信頼してくれていた。
さあ、いざ行かん「デッセ・ジェニー」!
大阪に数あるディスコの中で「デッセ・ジェニー」を、選ぶ理由は2つある
1つは今1番話題になっているディスコに彼女たち自身も行きたかったからである。
2番目 近くにラブホテル街が林立している好立地条件。
ディスコではチークダンスを踊って仲良くなった俺たちはめいめいが近くのラブホテルにシケこむ用意をする。
戦闘開始だ。
しかもじゃんけんをして「俺が勝ったらラブホテルまで付き合うこと」と言うルールを提示したら彼女たちは後出しジャンケンでわざと負けていた。
有難いことである。
次の朝、めでたく一戦を交えて満足感に満たされた俺たちは朝一番に支店につくと昨日と同じネクタイではまずいから各々のネクタイを交換してまた地獄のような通常業務に着いたのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます