第2話 天晴れイタリア姉ちゃん 2

一般的に「歌麿」に代表されるように日本男性のイチモツは西洋人の憧れである。


ここで「彼女を失望させてはならない」ということだけが俺の脳裏を占めていた。


日本代表である。


おれは戦闘態勢に入ったら、自分で言うのもなんであるがそこそこの大きさで相手を圧倒するだけのモノを持っている。(ここで製造元の両親には感謝したい)


しかしこの場合には気圧されてしまって「おい、お前しっかりしろ!」状態であった。


恥ずかしい限りである。


これは女性には多分理解されないと思うが「リラックスして風呂に入っている男性のイチモツ」というのは本当にリラックスしているのである。


しかし今やそうも言っていられない状況である。


日本男児としては、はるばる遠くから来たイタリア娘に失望だけは与えたくない一心で眼前の豊満な乳房とピンクの乳首を見ながら真剣にわが息子をしごいた。


息子には悪いが今までにないほどの速さと強さでしごいた。


すまん。


幸いジャグジーの水流と泡が私の手の微妙な動きを隠してくれたのは心強かった。


冷静に考えてみれば、合法的に若い全裸の姉ちゃんの眼前にわがイチモツを堂々と晒す機会というのは人生でもあまりないのではないであろうか。


無神論者の俺は神に感謝した。


いずれにしても急遽しごいた結果、8分目(多分これでも一般人の戦闘状態よりは相当大きいだろうと言う冷静な計算があった)までには息子がいきりたったので、私はイタリア娘の顔の前にイチモツを「これでもか」という具合で胸を張って晒して立ち上がった。


あえてすぐに湯船を出ずに日本男児の心意気で10秒間ほどはじっと立っていたと思う。


私のそそり立った息子の先端部分とイタリア娘の顔の距離はわずか20cmくらいであっただろうと思う。


至近距離である。


歌麿を鑑賞するには一番いい距離だ。


そそり立つ私のイチモツを見てイタリア娘は青い目を大きくして片手で口を押さえて「ubyyqqu」と言ったが、正直よく意味はわからなかった。


大学時代フランス語を取ったがこの時だけはイタリア語を勉強すべきだったと心から思った。


しかし理解できない言葉であったが口を押さえるという行為から推測して目の前の我が歌麿を堪能していただけたであろうと確信する。


日本代表の面目躍如。


この夢のような話には実は後日談がある。


おれはホーチミンでゴルフ同好会に属している。


毎週木曜日の夕方から2時間打球練習をやる。


汗を流した後は決まって近くの飲み屋でゴルフ仲間と一杯やるのが通例である。


その時にふと

「そう言えば先週の土曜日にイタリア人姉ちゃんが俺が入っている風呂に全裸で入ってきてよー」と前述の話をこと細かく教えてやった。


「マジか」


「ラッキーやな」

と口々に言ってきた連中が最後に聞いてきたのは「どこのホテルのサウナか」と「何時ごろの話だ」の2点であった。


毎週の日課なので次の土曜日の4時くらいにサウナに行ったおれは驚いた。


サウナがゴルフ同好会の連中で一杯だったのである。


「お前ら!柳の下にどじょうは2匹おらん!」


そのときの私のせりふであった。

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