はじまり

僕はスナク村に入る前に涙を拭った。村に入ると、いつも優しくしてくれた村の人達が王都の人達と同じ目をしていた。


(あぁ。もう知られているんだ……。前はあんなに優しい目をしていたのに…。帰ってきたらお帰りって言ってくれたのに……。)


僕はまた涙が出そうになった。けど、父さんと母さんならいつも通り迎えてくれると思った。

家に着き、深呼吸して中に入った。

「ただいま!」

いつもより大きな声で言った。けど、「おかえり。」って返事がなかった。

僕は居間に急いで行くと、誰もいなかった。机の上に紙が置いてあるだけだった。


『レウス。貴方はもう私達の息子ではありません。だから私達が親だと言う事は誰にも言わないでください。迷惑です。それと、私達のことは探さないでください。』


「はは。なんだよこれ……。」


何かの間違いだと思った。変なイタズラだと思った。だがどの部屋を探してもいなかった……。


「うっ……そんなの……くそ…………ぐすん……わあああああぁぁぁ!」


僕は一晩中泣いた。

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