レウスの職業
翌朝、散々泣いたからかなんかスッキリした気分だった。
ふと昨日の事が頭に蘇った。少し気になった事があった。ポケットにくしゃくしゃで入ってる紙を出し広げた。
『貴方の職業は““召喚士””です。
が、創造の召喚士です。」
と書かれていた。上の行の“召喚士”が物凄く大きく書いてあるせいで分からなかったが、本当の職業は創造の召喚士らしい。
「創造の召喚士?なんだそれ?」
取り敢えずお腹が減ったので食べ物がないか探した。
昨日は物凄く急いでいたんだろう。食べ物は家にあった。多分、金目の物とか必要最低限のものを持って行ったんだろう。
食事を済ませて“俺”は食べ物などの必要最低限のものを持って家を出た。もう、この村に戻ってくるつもりはないからだ。
そして、いつも魔法の練習で使っていた場所に移動した。そこは人がいない更地だからだ。
早速魔法の練習を始めようとした時魔法が使えないことに気づいた。
この世界では職業に適した魔法だけ使えるようになる。つまり、俺は召喚士だから魔術師や、賢者のような魔法は使えなくなる。が、それまでに得た魔力はなくならない。
その事を思い出した俺はショックを受けながらも自分の職業、創造の召喚士がどんな事ができるのか試すことにした。
「まず、召喚士だから魔物か武器の召喚だよなぁ。そして創造だから自分で一から作れるわけだろ。うーん………。よし!」
俺は魔物の召喚を試してみた。俺と同じサイズの竜を召喚しようとしたが出来なかった。
「人と同じサイズの竜なんてあり得ないからそういうのはダメなのかなぁ。」
今度は普通の竜を召喚しようとしたがこれも出来なかった。
「あれ?なんでだ?竜は強力な魔物だから魔力が足りないのか?」
今度は弱い魔物スライムを召喚しようとしたが出来なかった。
「出来ねぇーじゃん!なんだよ!なんなんなら出来るんだよ!あーもう!武器も出なかったら意味ないぞこの職業!」
俺は適当に剣を召喚した。そう剣を召喚した。
「あれ?出来た……。やった!」
武器が召喚出来たことが嬉しくなった俺は今度は刀身が物凄く長い武器を召喚した。
「おぉ!出来た!出来たぞ!」
この世界にないであろう武器を召喚出来たのだ。
(この創造の召喚士という職業もしかしたら武器しか召喚出来ないのかもしれない)そう思った俺は色々試した。が、驚くことに剣以外の武器は召喚出来なかった。
「これ創造の召喚士じゃなくて創造の剣の召喚士だろ。」
まぁ、それでも剣だけは召喚できるので、
大剣なのに物凄く軽い剣。
刀身の見えない剣。
数の増える剣。など作った。
流石に全て見えない剣は作れなかった。
「はぁ……はぁ…目が霞んできた……」
俺は岩陰に隠れて意識を失った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます