魔術

「アンタも政子から勘当されたのか?」


「馬鹿言え」


俺と尾花の目の前には、60cm大程の幅はありそうな丸い物体が置かれている。

それは革で出来た大きな背嚢なのだ。


尾花は魔術を見せてやると言った後、外出の準備を始めた。


それがこの結果である。

政子が片付けておけといった物を一切合財背嚢に詰め込んだ結果ともいえる。

パンパンに膨れ上がっているので、背負うための両肩のベルトに腕を通す隙間があるのかも怪しい。



(……女子受けの良い可愛らしいヤツって言ったんだけどなぁ。)



昼には政子も帰ってくるためそれまでの時間潰しのつもりだったが……。

ひょっと魔術で時間旅行でもするつもりなのか。



「そうじゃなきゃ、こりゃ夜逃げだよ」



「だから煩いな、私が運べば問題ないだろう」



尾花は頬を膨らますと、荷物を持ち上げて台車に乗せようとした。



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「滑車だ、滑車を使えば良いのだ、安心しろ簡単な物理の勉強だ。背嚢の重さが約30kgとして天井に二つの滑車使用した組み合わせ滑車を設置する。そして荷物を持ち上げる為に必要なF=30kg/3×9.8=9.8kNの力でロープを引けば良いわけだ。なに、この程度の事であればエーテルが重力加速度に及ぼす影響など無視しても良いだろう。あとは滑車を付ける天井の耐久性と天井が外れた際の政子への言い訳を……」


おそらく尾花は焦っているのだろう。

先程から台車に背嚢を乗せようとフーフー言いながら顔を真っ赤にしてしている。

しかし、尾花の力ではそれこそ梃でも使って持ち上げねばならぬ重量の背嚢である。

自分で持ち上げると言った手前、台車に乗せてくれと俺に頼みづらいのだと思う。


見ていて不憫になってきた。


「……俺が持とうか?」


「ん?そうか、すまない。」


俺の提案を思いのほかんなりと受け入れた尾花。

本人としてもおそらく限界を感じていたのだろう。

だったら荷物を減らせばよいのにそれは出来ないらしい。


俺は背嚢の肩ベルトを手に持った。


「国衛……拙いぞ。」


そりゃ、この荷物の量である。

普通の人間は拙くなる前に気が付くはずなんだが。


「オセルのタリスマンが見当たらない……紅縞瑪瑙でできたやつなんだが。」


「……ちょうど良かったじゃん、荷物の量が減って。」


これ以上余計な荷物が増えるのはごめんである。


「先程鞄の中にしまったか?いやその記憶は無いぞ?国衛悪いがその鞄の中の物を一端全て出してm」


「もう良いから出ようよ。」


この調子だと荷物の出し入れで日が暮れそうである。



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街の中央にある広場。

ここは街を東西南北に走る大通りが交わる中心地であり、この街のランドマークである。

そしてこの街の経済と政治の中枢機関であるギルド商館を南に置き、裁判所や憲兵本部庁舎の行政施設が東に立ち並び、そして俺たちのいる西側には頭上高くには改築途中の大きな聖堂もある。


「親方、今日は特に天気良いっすね!これが"偉大なる御身グレイト・オブ・ドゥ"の恩恵ってんなら俄然やる気も起きるってもんですよ!」


「動かす口がそんだけあるんなら手の方はもっとキリキリ動いてくれんだろうな?"偉大なる御身グレイト・オブ・ドゥ"の恩恵っては大したもんだ。」


聖堂の改築工事に携わる職人たちが言うように頭上を仰げば海をそのままひっくり返したような晴天が広がり、道行く人々の声も陽気に聞こえる。


交通の中心であり街の中核、そしてこの青空だ、それだけで人通りも多くなる。

しかも、ここでは毎朝朝市が開かれているため行商や街の外にいる農家それに職人などが屋台を出し、市にやって来た客でごった返している。


「聖堂の改築工事もだいぶ進んで"偉大なる御身グレイト・オブ・ドゥ"の御威光を日増しに肌で感じるわね。」


「でも、この改築工事の出資の殆どがクライフ家から出ているそうじゃない、ならそれはクライフ家の御威光じゃないの?」


「違うわよ、クライフ家が出資したのもひとえに"偉大なる御身グレイト・オブ・ドゥ"の御威光があったからじゃない。」


そして奥様方は中央広場の北側、その某家の邸宅の堂々たる佇まいを見てクスクスと笑っていた。

このような井戸端会議を広場のあちこちで耳にする。


そんな人の坩堝の中で、巨大な背嚢から何やら取り出し吟味している尾花と尾花が取り出し放り投げた物を拾い集めている俺は衆目を集めている。


「こんな人通りの良いとこで何する必要あるのかい?」


尾花のいう魔術とは大道芸みたいなものなのか。


「この街の設計思想や都市計画にあからさまな道教系風水の影響が見えるのが前々から気になっていたのだ。ちょうどその事を調べるいい機会だと思ってな。特にこの中央広場は四神相応の中心つまり”龍穴”に位置しているので、必然”エーテル"、これは風水でいえば"気"だとか"龍脈"といって方が分かりやすいか。そういった魔術的エネルギーの……」


別に横文字を中華風に言い換えられても所詮異文化大陸の用語である、異世界の用語と比べてみても認識・理解の程度についてほとんど差は無い。

つまり、尾花が何を言っているのかさっぱりだ。


そもそも魔術という物自体がついこの間まで俺にとっては眉唾物だったわけである。

こちらの世界にやって来た事と、あちらの世界と勝手が違う事を踏まえた上で「魔術?まぁ、そのくらいの物があってもおかしくないかな?」と思える程度なのだ。


だから、突然見せてやると言われて心の準備もままならぬまま、この様な場で凝りに凝った事をされてもどう反応して良いのか分からない。


そんな俺の気持ちが尾花に通じる筈もなく、尾花は尾花でアレでも無い、これでも無いと悩んでいる様子である。


「おかしいな……やはり家に忘れてきたか……。」


尾花は自分が背嚢から取り出した物を投げっぱなしにしてどこかへ歩いて行った。


俺も尾花に着いていこうとしたが、しかし尾花が散らかした物の数々はガラクタの水溜りのようになっており明らかに交通の妨げになっている。

それに、改築作業に携わる職人たちの迷惑そうな視線にも今更になって気が付いた。


俺は自分が抱えている物と投げっぱなしになっている物を広場の脇に一旦寄せる。


書物に巻物、フラスコやビーカー、ふいごなども拾い集めた物の中にあった。

脇に寄せた物を見て、俺は思わずため息を吐く。

尾花が俺に持たせていた物は、俺が見る限り大よそガラクタにしか思えない物ばかりである。


極めつけが、1mばかりの棒状の物が布に巻かれて置いた物。

釣竿だろうか、しかしこの石畳が敷き詰められた陸地の街で一体何が釣れると言うのか。

無用の長物と言う言葉をこれ以上に体現したシチュエーションもそうあるまい。


これだけ色々なものを持ってきていてさらに忘れ物が出来るとは逆に凄いな。


しかしその時、釣竿の様な長物の傍で赤黒く光る宝石を飾ったペンダントがあるのに気が付いた。

宝石の中央には金色の文字が刻まれている。

文字はこちらの文字と似ているようでどこか違う。


見る限り恐らく高級品だろう。

これを地面に置いてあるその他ガラクタと一緒に置いておくのは物騒である。

俺はそれを首にかけ、尾花が歩いて行った方向へ駆け出した時だった。


「きゃ!?」


何かが肩に触れ、そのままの勢いでそれを倒してしまった。

明らかにそれは人であり、それも女性である。


俺は咄嗟に頭を下げる。


「すいません!いや、突然駆けだした矢先に誰かいるとは思わず……」



「全くです!何故、後方に注意を向けず勢いでそ"偉大なる御身グレイト・オブ・ドゥ"のまま駆けだそうとするのか!?そのような散漫な注意力が"偉大なる御身グレイト・オブ・ドゥ"のもたらすエーテルの加護を見落としているのですよ!?」


俺は下げた頭のこめかみから汗が一筋垂れるのを感じた。

ぶつかった相手は何やらめんどくさそうな事を言っている。

ババ抜きで三枚くらいジョーカーを引いた気分である。


恐る恐る顔を上げると、そこにはサイドアップにしたブロンドの髪が印象的な美女、と言うよりは美少女か、俺と歳が変わらない少女が尻もちを着いて涙目でこちらを睨みつけている。

少女の服装はモスグリーン調の袖の長いワンピース、そしてその下に襟の付いた白いブラウスが覗いている。

そしてそれらの上から尾花の着ているローブは、形だけ見れば尾花が羽織っている物に近い。

しかし、目の前の少女が着用している物は胸に記章が施され、表は黒いウール生地、裏地にはビロードのような光沢を放つ朱いシルクが使用されている。


格好だけ見ればどこぞの良い育ちのお嬢様だが、その口から出る高飛車な声は育った産地を疑いたくなるものだ。


美少女と街で不意にぶつかったシチュエーションと言うのは、男ならば役得と思って内心ニヤついてもやぶさかでは無い。


しかし、相手が美少女ともなれば助けの手を差し出す事に気が引けるのが思春期の辛い所である。

差し出した手を、さて迷惑だ、と払いのけられては面目も何も丸つぶれである。


現に目の前の少女はそのような事をやりかねないのだ。

それに、こちとら政子や尾花と言った癖の強い女たちに囲まれている。

ただでさえ食傷気味のところに目の前にいる我の強そうな少女の相手にするのは些か気がもたれそうである。


「あの、淑女が地に腰を付けているのです。であれば、手を差し出すくらいの気は回らないのかしら?」


少女は軽蔑するような視線で俺を見上げる。


「……。」


別にそこまで気が短くも無い。

が、高飛車に上から物を言う人間に回して襷に出来るほど長い気も持ち合わせてはいない。

先程とは違う理由で手を差し出すべきか否かを思案する。



「あの、聞こえてます!?貴方の肩が当たってか弱き淑女が一人倒れているのですよ?」



か弱い割には随分と気が強くて元気ではないか。

それでも不承不承と手を差し出すと、少女は俺の手をこれまた不承不承に取る。


俺が勢いよく少女の腕を引っ張ると、勢いが良すぎたのか少女は倒れた時の様に「きゃ!?」という嬌声を上げた。


「ッブ!?」


胸元に強い衝撃を受け、器官に栓をされたかのように急に息が詰まった。

不意に体を引っ張られた少女は、勢いそのままに俺の方へと体を倒し丁度空いていた方の手で俺の鳩尾を突いたのだ。


しかも、よっぽど俺に身体を預けるのが嫌だったのか、起き上がるとすぐさま後方に飛びのいた。


「ちょっと!貴方の唾が顔にかかったではないですか!?全く、人を目の前にしてくしゃみをするとははしたない!」


どんな環境で育てば、俺の声にもならないうめき声がくしゃみに聞こえるのだ。

寝食全部を墓場の隣ででもやってんのか!?

そう文句の一つでも言ってやりたいところだったがいかんせん声が出ない。


「これは貴方に対する私の不満や怒りでは無くあくまで老婆心ながらの忠告として受け止めなさい。先程の肩をぶつけた一件にしても淑女の手を取る事にしてももっと注意力と繊細な意識と細やかな気配りを持って物事に接するべきです。そうした機微を持つことがエーテルひいては御身の御意志を理解する上での何よりの近道なのです。全く貴方ときたら杜撰で適当でいい加減な……」



少女の小言を聞きながら、と言うより息苦しさをどうかする方に忙しくて人の話など聞いている余裕が無い。


「そもそも、ただでさえ人が多く行きかうこの大通りの広場、それも御身の威光を象徴する大聖堂の前でそのようにゴミを広げておくとは大変不敬且つ甚だ迷惑だという事が何故分からないのでしょうか?」


その意見にはおおむね同意だが、一番聞かせたい人物はここにいない。

それに、いい加減その高慢ちきな言い草に青筋の一本でも立ちそうである。


ようやく声が出せるまでに呼吸が落ち着くと、未だに御小言をのたまう少女を睨みつけた。


「どうも……すいませんね。こちとら芋の蔓よりか弱いもん引っ張ったことが無いもんで、おかげで蔓の切れた地中の芋みたいにツレも何処に行ったか見失ったみたいだ。」


少女の御小言の上から嫌味をぶつけてやった。

この世界にやって来て理不尽ばかりで辟易していたのだ、口撃の応酬なら受けて立つつもりである。

少女の顔が苛立たしく歪み、その桃色の唇から放たれる矢じりを察して俺が身構えた。


しかし、意外な事に少女は俺を面罵する事なく、俺の前へ手を差し出すと手のひらを天に向けた。


「日喰らう月、其が齎す凶兆、今こそ我が仇へ降り懸らん、”イクリプス”。」


何事かを呟いた少女の手のひらに、黒いバスケットボール大の球体が突如として出現した。

手品をするにしては状況はあまりに唐突で空気はあまりにそぐわない。

それに種を見つけようにも唐突過ぎて仕掛けも見当たらない。

俺は突然の出来事に少女とその球体に目を剥く。



「説いて分からぬ者にはその力の一端を持って御身の偉大さを胸に刻ませるのも信徒たる我々の務め。御身と同じく寛大な手心は加えるつもりですが……多少の火傷は覚悟して下さいね?」



少女の手のひらに浮く球体の周囲に赤い炎が現れた。

炎は波打って球体全体を覆い、先ほどまで黒かった球体は朱い炎に包まれる。


どういう仕組みであのような物が出てきたのか分からない。

しかし、その炎は俺に対する敵意をその熱によって伝えてくる。


広場にいた大勢の人間がざわつき始め、周囲にある屋台は慌てて商品をしまい軒を畳み始めた。

そして、俺と少女から一定の距離を取って様子を伺っている。

察するに、周囲にまで被害が及ぶ程にあの球体は相当危ない代物らしい。


俺は慌てて少女から距離を取った。

幾分慌てていた為足がもつれ、思うように走れない。


ちょっとした口論のつもりが、どうやらとんでもない事になっている。

正直、今の状況以上に理不尽な事も中々無い。


動揺が顔に出てしまったのか、少女は俺を見ると嫌味っぽく口角を上げた。


「精々死なぬよう祈りなさい。まぁ……例え天に召されようとも御身の前で己の短慮と不遜を悔い改めれば寛大なる御身の事です、きっと貴方を許されるでしょう。」


ちょっと待て、さっきはちょっとの火傷って……!?


「日に牙を立てる月、其の紅蓮の飛沫は我が仇を焼き焦がす、”プロミネンス”」


少女が何事かを再び呟いた。

すると炎を纏った球体から火柱が無造作に八方へと立ち上がった

そして、全ての火柱は得物を前にした大蛇の様に俺を威嚇したかと思うと、そのままこちらへと向かってきた。


何が起こっていやがる!?


状況が分からない、しかしともかく危険な事だけは確かである。

そして俺が咄嗟に顔を腕で覆うより早く、目の景色が全て朱色に覆われた

周囲を覆う異様なまでの熱の痛みで目が開けられない。

両腕で顔を覆い、必死で身体を揺らして必死で熱から逃げようとするがそれもかなわない。

まるで炎の縄で縛られている、いや炎で出来た檻にでも入れられている様である。


そして、熱さと同じくらいに呼吸が出来ないのが辛い。

息を吸うと、熱を持った空気が肺に入りその途端に咽てしまう。

殆どまともに呼吸が適わない状況で、段々と意識が遠のいていく。


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「アンタ!おい、大丈夫かい!?」


朦朧とする意識と視界でようやく見えたのが、不安そうに俺を見下ろす人々とその間から見える青空だった。

何やら非現実的で魔術でもかけられたような出来事に有った気がするが……夢でも見ていたのだろうか?


何とか意識を現に戻し、重たい上半身を持ち上げると周りからいくらか安堵する声が聞こえた。

このような道端で気を失ってしまうとは、大変恥ずかしい。


「夢の中で器量だけは無駄に良い高慢ちきな女に絡まれてしまった事は覚えてるんですが……。あんまり陽の当たりが良いから逆上せてのぼせて気を失ってたみたいで……。」


「なに言ってんだい!アンタ、陽の光どころかそこの高飛車なべっぴんさんの魔術で火そのものに当られてたじゃないか。」


俺を見下ろす大衆の中にいた男性が焦るような声で捲し立てる。

そして、「いけね」と対面にある何かの様子を伺うと、その場を駆け足で去って行く。


男性の視線の先、俺を遠く対面で見下ろす姿に俺はふたたび身構えた。


無駄に器量の良い高慢ちきな女あるいは高飛車なべっぴんさん、件の少女が未だあの炎を吐く球体をその掌の上に浮かせて立っていた。


まだ何かやってくるつもりか?


しかし、たかが口論一つで人一人殺そうとするとは正気では無い。

それに俺の周りに人だかりが出来ている。


今度何かすれば俺一人じゃすまないぞ、周りの人間にだって被害が及ぶ。

そうなればいよいよ助からない…‥って待てよ……。

「何故‥…。」


何故、と言いたいのはこちらの方だ。


少女は目を皿にしてこちらの様子を伺っていた

表情に影を落とし、震えているのが見て取れる。


なんでアンタがそんなに動揺しているのだ?


「何故、貴方は無事なのです!?」


それは俺のセリフだ。


「貴方に使用したのは”プロミネンス”ですよ!?"ファイヤボルト"等のレギュラー級魔術とはわけが違うのです。それを一身に食らっていながら何故……。」


そもそも、魔術という物を俺は先ほど初めて見たのだ。

少女の使用した”プロミネンス”という物がどの程度の物かも分からない。

しかし、手心を加えるなら、そのお手軽そうなファイヤ某でも良かったのではないのか。


逆に言えば、それは少女が特に手心を加えていない事を意味している。

であれば、俺が無事だった原因は俺にあると言う事だが……。


「どうして中々、流石はオーディンの英知の結晶と言ったところか。」


俺を取り巻く人混みの中で聞き覚えのある声がした。

その声の主はいつの間にか俺の傍まで来ており、俺の肩にその小さな手を置く。


「THソーンのルーンを刻んだパイロープガーネットのタリスマン、君の身に着けているそれの事だ」


尾花は俺を見下ろしながら得意げに笑うと、視線を俺の胸元へと移す。

視線の先には、盗難の恐れがあったので用心の為に身に着けていた謎の文字を彫り込んだ赤黒く光る宝石のペンダントがあった。


「どこへ行ったのかと心配したぞ、国衛」


……俺はずっとここにいて、アンタが勝手に何処かへ行ったんじゃないか。


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