夏休み

 夏休みは最高だった。化学実験が長引いたのに加えて、後半には自動車学校の合宿にも行ったものだから二か月とはいかなかったが、最高の一か月だった。


 好きなことを好きなだけやった。ようやくゲームのオフ会にも参加した。ありえない強さをもつ人がたくさんいる魔窟だった。



 夢の時間は泡のように、瞬く間に弾けて消えた。



 カラクリはこうだ。大学当局は学期中には時計の針をゆっくりと進める。休みの間は反対にどんどん針を進める。全く汚い奴らだ。私は驚きあきれた。仕方なくまた大学に通うことにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る