火星人は再会
私には天地に向かって謝罪しなければならないことがある。地上の人に天空の星に懺悔しよう。
トモダチが、できた。
きっかけは火星人だった。
実は私には、一つだけ一人で受けていない授業があった。英語基礎だ。これは化学生命工学科、いわゆる「火星人」と合同で受ける授業であった。なんと高校の級友がそこにいたのだ。
何という幸運だろう。火星人と昼休みを過ごしていると、彼はときおりテレパシーを使い友達を呼んだりした。彼らもまた高校の同級で、陰気な私は話したことがほとんどなかったが、顔は見知っていた。きっと数語や法語などの宇宙言語を話すのであろう、とはじめはおののいたが、繰り返し会ううちに互いに言語を解すようになり、なんと友達がふえてしまった。
有難かった。そのうちの一人は私と同学科だった。彼はネットの、いわゆる真夏の夜の語録しか話さなかったが、いくつかの授業を一緒に受けるようになった。本当に有難かった。私は感謝して、火星にテレパシーを送った。
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