ハンバーグは肉と

 ゴールデンウィークが明けると、多くの授業で申し合わせたようにいっせいに課題が出た。休み前に出せよ、と思うのだが、この時期にちょうど一区切りつく授業が多いのだ。しかしはじめの一か月で勉強した内容というのは、たいてい高校でやったものを少し発展させただけであったから、それほど苦にはならなかった。

 それよりも嫌なのは、毎週課題を出してくる授業だ。中国語なんかの課題はかわいいものだったが、英語基礎は毎週テーマに沿って英文を書いていかなければならなかった。おまけに名大には、授業とは別にぎゃっとTなどというオンラインの英語教材があり、それを七月の締め切りまでにリーディング四十問・リスニング八百問と大量にこなさなければならなかった。そしてさらに私には、ぎゃっとTサバイバルなるものもあった。

 サバイバルというのは名大独自の制度で、入学後に受けるTOEFL ITPという試験の成績が悪いと「サバイバー」になる。「サバイバー」になった学生は英語(サバイバル)という授業を毎週受け、さらにぎゃっとT(サバイバル)をこなしてサバイバルを「生存」――つまり合格しなければならない。生存できなかった場合、授業はなくなるが、後期もぎゃっとTのサバイバルをこなすことになる。(ちなみに三回生存に失敗すると留年する。)

 つまり、私の英語力が災いして、金曜一限の授業と大量の追加課題を負うはめに陥ったということだ。サバイバルの英語は典型的な高校教材そのもので、愚弄しているかのように簡単だった。救われるような、虚しいような、不思議な気分を味わった。

 そしてもう一つ、化学実験のレポートは苦痛だった。はじめの三週は講義だけで、実験がなかったからよかったのだが、実験がはじまってからはレポートを毎週提出しなくてはならなくなった。実験は予習が必要だし、時間が金曜日の四・五限ということで疲労感が強かった。といっても、レポートはそれほど重いものではなく、五時間ほどで書きあがった。

 苦痛、といえば解析学もそうだ。解析学では、いわゆる微分積分を主に学ぶ。こいつはレポートは一切ないが、そのかわり授業がいやに難しい。難しいだけでなく、どこをどう学べばいいのかいまいち掴めない。変わり者の講師にもあまり好感がもてなかった。


 大学は、これから、五月下旬から中間試験に突入する。中間試験はすべての科目で行われるわけではなく、時期も決まっていないが、たいていは五月下旬から六月の終わりにかけて行われる。はじめての形式だが、試験というものには慣れているし戸惑いはなかった。

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