海底都市型テーマパークアトランタ

五月

ぽんぽんぺいん

 星ヶ丘を過ぎたころ、腹が鳴って、あ、うんこだ、と思った。落ち着いて確かめたところ、それは紛れもなくうんこだった。しかし、一限まで時間に余裕もなかったから、乗り換え駅までは耐えることにした。

 腹痛というのは全ての理系大生に共通する病だ。ゴリラが神経質でお腹を壊しやすいというのと同じだろう。体型は対照的にヒョロナガのモヤシだが、精神はやはり弱く、大学行きたくない、発表やだな、ペアワークやだな、と僅かに意識するだけでも腹痛を引き起こし、うんこを引き出す。

 私はトイレにこもりながら、本山駅の現状を憂いた。本山駅というのは東山線と名城線を繋ぐ交通の要衝だ。名城線のこと本山付近には大学が多く、利用する大学生も多い。そんな情勢をおもんばかるに、本山のトイレの数というのはあまりにも少ない。小が四つに、大が二つ。これでは普通の駅と変わらない。あまりにも便器に、便利に欠く。

 便を済ませた私は颯爽と名城線へ乗り換え、一限へと向かった。ちょうど授業が始まりそうだが、まあいい。世の中には遅刻していい講義というものがある。今日はちょうど力学だった。力学など教科書を読めばどうとでもなる。


 月曜日。午前に力学と中国語を受けて、三限が空きコマ、四限にスポーツ実習がある。こういう日は楽でいい。そっと胸をなでおろして名治大学駅の階段をのぼった。



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