第51話


 私は少し眠ろうと思う。

 夢と出会って、私が私を知覚して以来、私はずっと目を開いていた。

 でも少し疲れた。

 これが眠いという感覚なのかもしれない。

 私はナリアとシンの幸せを祈りながら、少しだけ眠ってみようと思う。眠るなんて初めてのことだから、また起きられるのかという不安も少しはある。

 しかし……楽しみでもあった。

 だって人は眠ると夢を見るという。もしかしたら私も夢が見られるかもしれない。

 夢には過去も未来もない、現実とは異なった不思議な世界らしい。

 そこでならまた夢を見られるかもしれない。

 だから私は目を閉じる。

 私はこれから夢を見る。

 それが幸せな夢だったらいいと思う。

 そして私は目を閉じた先、暗闇の中で願う。

 この星にではなく、この世界に幸あらんことを……

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ひとりぼっちの世界、たった二人だけの星 鈴木りんご @ringoo_10

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