第17話
☆☆
思えば、どうして彼に惹かれたのだろう。
明確なきっかけはわからない。
いつの間にか好きになっていた。
もしかしたら出会ったそのときには恋に落ちていたのかもしれない。
私がどんなに育っていく想いを閉じ込めたいと願っても、彼と話しているだけで満たされてしまう自分の心がよくわかった。
彼がうれしそうに笑みを浮かべていれば、私もうれしくなって笑みを浮かべることができた。
彼が悲しそうにうつむいていれば、私も悲しくなってうつむくことしかできなかった。
彼の心と私の心は一つだった。
彼の表情はまるで少し未来の私を映す鏡のようだった。
あのときまで、私はそう思っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます