こちゃ
「イーエイ(パシャ)」
赤いつばつきの帽子被ったサングラスの色黒男が掛け声と共にスマホで写真を撮っている。
「いーえい(パシャ)」
少年はスマホは持っていないが隣で一緒に撮影をするフリをする。
「ねぇ……何してんの?」
「あ、リーマン。今撮って晒してるとこ。」
「おいちょっと待てその人手当たり次第撮ってTwitt●rに上げてんのかよ。まじでやめろよな。」
「イーエイ(パシャ)」
「いやイーエイじゃなくて。」
「いーえい(パシャ)」
「なんでスマホ持ってないのに効果音は出るの君。」
くだらないやり取りをしていると女子中学生が後ろからやって来た。
「あ、この前の男の子じゃん。この前はありがとうね。また一緒に遊ぼう。」
「どったま。また遊ぼうね。」
そう言うと少年は彼女の下を指さした。
「きゃっ!」
そこには俺の顔が写った写真が敷いてあった。
「変態!」
「うぐっ!」
リーマンは彼女の猛烈なビンタを受け取ってしまう。
「おまわりさんこのリーマンです!」
すぐに白髪の年輩おまわりさんがやって来てしまい、冤罪をかけられてしまう。それより言っておきたいことがあるんだ。
「だからリーマンって呼ぶな。」
おまわりさんは俺の方を睨んで警棒を取り出そうとする。
「いやいやいや待ってください!俺何もしてませんし!あいつらが勝手に変なことしてるだけで俺は全く関係ないんですよ!というかその写真どうやって刷ったんだよ!」
「写真で女子中学生のスカートを覗くとは悪趣味な!俺もやろうかな。ええい!逮捕だ!」
「言ってることがさっぱり分からん!しかも俺もやろうとかしれっと爆弾発言してんじゃねえよ!」
俺はおまわりさんに両腕を捕まれてしまう……。
「イーエイ(パシャ)」
「いーえい(パシャ)」
「yeah(click)」
(ここぞとばかりに煽ってんじゃねえよ。)
「お前らマジで冗談やめろよ!俺何もしてねえよな!」
「イーエイ(パシャ)」
[「お前らマジで冗談やめろよ!俺何もしてねえよな!」]
(吹き出しを切り取ってきたんですけどー!!)
「いーえい(パシャ)」
[(吹き出しを切り取ってきたんですけどー!!)]
切り取った吹き出しが空から降ってくる。
(お前らマジでふざけんな。俺が冤罪で捕まってもいいんか?)
「yeah(click)」
[(You guys should not play around.May I catch with false?)]
「yeahとか同意した上で吹き出し切り取ってくんじゃねえよ!ご丁寧に翻訳もするんじゃねえよ!」
「おいリーマンお前逮捕だぞ!お前あれだぞ!逮捕されるとあれだからな!」
「何も言う事ねえのに初登場だからって無駄な出番増やしてくんじゃねえよ!」
「イーエイ(パシャ)」
[「何も言う事ねえのに初登場だからって無駄な出番増やしてくんじゃねえよ!」]
「うんあのだからさぁ……。」
「ぁれ!リーマンじゃね?こんな所でもぁっちゃ……ぁ、捕まってんじゃーーーん!」
「うるせえよ!俺は何もしてないんだって!」
「これもぅゲロっちゃぅしかなぃぽょ」
「いやあいつが撮った写真でとばっちり受けてんだってば!」
「イーエイ(パシャ)」
色黒男はJKの方を向いて写真を撮る。
[卍]
「え。」
「ぇ。これぅちの写真?まじ?ちょーゃばぃ!きゃはははは!ぅけ!」
「イ、イーエイ(パシャ)」
[卍]
「イエイ!(パシャ)イエイ!(パシャ)……」
[卍] [卍]
[卍] [卍] [卍]
[卍] [卍]
空からたくさんの卍が降ってくる。
「なんじゃこりゃ……。」
唖然としていたのはリーマンだけではなく女子中学生もだった。
「ぅちもょゎかんなぃけど、これでぉまゎりさんも仕掛けゎかったんじゃね?」
おまわりさんは空を見て泣いていた。
「なるひほどそういう事だったのか……。ワシも昔はそういう事があったなぁ……。」
(いやお前には今何が見えてんだよ…….)
最強過ぎる少年X 泉 直人 @emp00
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