ー遊ー
「遊ぶって言っても何すんだよ。体格差ありすぎだろ。というかダンプも木葉もなんで揃ってスーツなんだよ」
疑問や呆れがごちゃ混ぜになってしまう集。それに全く気にせずに遊ぼうとする木葉。その姿に叶はただ呆れるばかり。
「お絵描きしましょっぷっぷっぷ~♪」
「えぇ…めっちゃ遊びたがる…」
木葉は楽しそうに絵描きをしようとしているが、三人は振り回されている気しかしていない。
「あーじゃあ、すぐ隣の広場に描いといてくんね?」
集は適当に指示をふるが、木葉にとっては一つ問題があった。
「分かったー。あ」
「どうした?」
「描くものないじゃん。枝拾ってくるね。」
そう言うと木葉は場所を移動しようとする。地面が少し揺れてしまい、すぐさま集は止めに入る。
「あー待て待て待て!そんなもん自分の指でいいじゃん!仮に木を伐採して束ねてもすぐ折りそうな勢いだし…」
さすがに二度も地形を破壊されるのは本当に困るわというより恐怖でしかない。
「分かった。後でお手々洗いましょうねー」
木葉は母が子に言い聞かせるように自分に言い聞かせた。
「おい叶、どうするよ…」
「どうするって…」
どうしようもなく叶に相談するが、子供を満足させるという事は疲れて寝るまでが勝負。このくらいで寝るとは到底思えない。
「足を洗う場所まで連れていかなきゃならねえし…」
ダンプは二人の意見の出し合いを車に寄りかかり腕を組んで黙って見て見ていたが、青年達の頭ではもう限界だと感じ動き出す。
「木葉、お前隣の山みたいな所に登れ。」
「え?こっち?」
その山とは古墳がある場所だ。公園は基本木で覆われているが、広場と古墳の山だけは木で覆われていない。木葉は一歩で山を登った。地面は当然揺れた。
「登ったよー。」
木葉は少し微笑んで返事をした。
「よーしいい子だ。集、叶、特大サービスだ。今回ばかりは無料でしてやる。」
ダンプはにっこりと笑みを浮かべて髪を整え始めた。
集と叶はダンプがこれから何をするのか全く想像がつかなかった。
気づいたら誰もいなくなってたけど多分生きていけるよね? 泉 直人 @emp00
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。気づいたら誰もいなくなってたけど多分生きていけるよね?の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます