特別編 紅のレヴァイザーの意味
今話は拙作とコラボして下さったMrR先生から頂いた、紅レヴァイザー誕生に纏わるSSをお送り致します! 知られざるスーツ開発の一幕、ぜひご覧ください!(о´∀`о)
◇
飛香 炫に件の変身ベルトを渡し終えた天野 猛。
彼は天照学園に戻る道中からある疑問を抱いていた。
時間が無かったとしても、天村 志郎がその気になれば別に戦闘目的ではないにしろ、変身ベルトを作るだけなら――急造でも十分にレヴァイザーやグランタロトに匹敵する戦闘可能なパワードスーツを開発可能である。
と言うかそもそも無理してレヴァイザーやグランタロトのデーターを使って妖精石を使わずにパワードスーツを製造した意図が分からない。
妖精石を使わなかった理由は――まあ理解出来る。
万一のために技術の流出を防ぐためだろう。
もしも妖精石を使っていたらもっと短時間で製造出来た筈だ。
レヴァイザーやグランタロトのデーターを使用した理由だが、何故レヴァイザーなのかは分からない。
グランタロトはまあ分かる。
飛香 炫の使用を前提としているからだ。
で、何故レヴァイザーなのかが問題だった。
正直レヴァイザーでなくてもいい。
一年前と比べてパワードスーツの種類も増えている。
ベルゼルオスタイプでなくても今倉崎 稜が使っているタイプでもいいだろう。
「で? その辺どうなの?」
天野 猛は本人である天村 志郎に直接尋ねてみた。
あのサイバックパークから一年経過した現在、天村 志郎率いる悪の組織部の規模はとても大きくなっている。
各隊長格にそれぞれ戦闘員がいてその戦闘員全員にパワードスーツが出回っているぐらいだからだ。
その天村 志郎と天野 猛は秋葉原の某ショップでフィギュアの買い物に付き合う感じでそれとなく聞いてみた。
志郎はライダーの可動式フィギュアのパッケージを手に取りながらこう答えた。
「レヴァイザーってゴーサイバー達と同じく、日本の男性ヒーローを象徴する正義の象徴ですからね。それに私達天照学園の中ではヒーローの代表としても知られています。後、単純ですけど一度組んだ事もありますしね――」
「成る程・・・・・・」
言われてみれば単純な事だったのだ。
レヴァイザーは色んな大事件に関わっていて男性ヒーローの中では知名度は高い方だ。
天照学園を代表するヒーローと言うのはむず痒いが・・・・・・ともかく天照学園の気持ちを汲んで欲しいと言う意味でレヴァイザーをチョイスしたのだろう。
「グランタロトは姫路さんが手を回したおかげで封印してますし、私達の気持ちと一緒にグランタロトを身に纏った時の気持ちを持っていって貰おう――そう願って組み合わせたんです」
「そか・・・・・・」
それで全てを理解した。
グランタロトを身に纏った彼の気持ちは複雑な物だろう。
だけどそれを全て無かった事にして欲しくない。
だからこそ、あえてレヴァイザーとグランタロトを組み合わせたスーツを作ったのだ。
「一応ある程度の戦闘は可能ですが、紅レヴァイザーの出番は最初で最後、一回キリであって欲しい物ですね」
「そうだね・・・・・・」
この辺りは自衛隊とかと一緒だ。
ヒーローなんてのが存在して活躍する世の中と言うのはある意味間違っていると言って良い。ヒーロー活躍する世の中と言うのはそれだけ危険な世の中だからだ。
猛は紅レヴァイザーが戦いの舞台に立つ事がない事を祈るのであった。
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