ふと、思ったことを聞いてみた。


「ねぇ、なんであの子の手当てじゃ駄目なの?」


村雨はあたしと目を合わせることなく答えた。


「木蓮の不器用さは皆知ってる。木蓮の手当てじゃ怪我が悪化する」



それはすごい不器用さ…

事実、さっき見かけた彼女のあやとりは…

お世辞にも上手いとは言えなかった。



「これで血が繋がってるっていうから不思議だよな」


「え?そうなの?」


「あたしたち兄妹なんだ。一番上が朝陽、次があたし、末っ子が村雨」


紫の彼女…もとい木蓮が放った言葉には衝撃の事実が伴っていた。


確かに、いやに親密だとは思ったけど…


「不思議すぎる」


「肯定されるとちょっと複雑なんだけど」


すると朝陽はまた木蓮にちょっかいをかけ始めた。

改めて見ると、うん、確かに兄妹だ。


村雨は無口であまり会話に入らない人柄みたいだけど、朝陽と木蓮を見つめる目には優しさが滲んでいる。


「あ、ねぇ、ここまでしてくれるのはありがたいんだけど、ここって…」


「なんだ?」



「極彩色、じゃない?」



そんな質問をしたのは

間違いだったのかもしれない。

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