その9 センとイルカの神隠し(事件編)

……あまりこれといっていい情報はなかったなー。

まあ時間はまだまだ腐るほどあるし、とにかく前向きに次行ってみよっかなー!

……そういえば、センちゃんが見当たらないなー……?






「……この砂浜、だよね?」

「……ええ」

「私も、そうだよ……」

「じゃあ、一緒に捜しましょう!」


海にて。

私とアシカが捜すフレンズは……






私の相棒のセンちゃん。

と、カリフォルニアアシカの相棒のバンドウイルカ。






この砂浜にとある事件の聞き込みに行った時、唐突にいなくなってしまったセンちゃん。

そして、それはイルカにも同じ出来事が起きていた!

これは事件だ!


「でもどうしましょう……。何もない状態から何かを行うというのは結構難しい行為ですよ……。」

「落ち着いてアシカ……あ、私嗅覚に優れてるから、センちゃんの匂いくらいなら……イルカの匂いも、分かれば捜せるかもしれない!」

「なるほど、いいアイディアですね!……あ、私は物覚えがいいので、最後にイルカさんを見かけたところくらいなら覚えてます!」

「よーし、それぞれの特技をいかして、何としてでも2人を見つけ出そう!」

「ですね!」


この状況……乗り越えてみせよう!






「……ここだね?最後にイルカを見た場所!」

「はい、この、乗り物に乗る場所で、一瞬見ただけですが……」

「一瞬見ただけでも覚えてるのすごいよ!」

「えっ!?あ、ありがとうございます!」


アシカも探偵になれそう……。

賢いし!


「で、センさんの匂いはしますか……?」

「うん……するかも。後、もう1つ知らない匂いがある!」

「もしかして、この匂いと同じですか?」

「それは……」

「私とイルカさんがよく遊んでいるボールです。私の匂い以外の匂いは、多分イルカさんの匂いです!」


いやぁ、私の嗅覚、めちゃくちゃ役に立つなぁ!

どれどれ……


「……うん、ここの匂いに結構近い!」

「となると、イルカさんとセンさんは一緒にいる可能性が……」

「そうだね!……ん?待てよ?」






さっき、ここは乗り物に乗る場所って……

そして、センちゃんとイルカが一緒にいて……

ってか、センちゃんはそう簡単に泳げないけど、イルカは余裕で泳げるじゃん……!

しかもセンちゃんのスカートは痛いし、わざわざ乗り物を使った理由も分かる!

……もしかして!






「……アシカ!ここって乗り物に乗るところだよね!?」

「え、ええ、そうですよ!」

「じゃあ……肝心の乗り物はどこ?」

「……!」

「灯台もと暗し、2人の居場所が分かったよ!」


……だから


「私のコウラは痛くないから、背中に乗せて私をつれてって!」

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