One

One



 葬式。

 結局その後、そのまま帰って。

 祖母が死んだ。

 葬式の後、父は僕に蹴りを入れた。体の骨が砕けそうなぐらいに、痛かった。地面に倒れて、咳が止まらない。

 それでも僕を叩き潰したかったのか、僕に迫った。

 母が止めに来た。

 父が、冷たい、けれどもその奥には僕を責める、熱すぎる憎しみがこもっているような声で言った。

「お前のせいだ」

 僕は父を見上げる、母が父を止めるように僕に背を向ける。

「お前のせいで、死んだんだ」

 僕は、無力だ。

「お前がそんなこと言うせいで」

 もう、こんなの、いらない。欲しくもない。

「死んだんだ」

 なんで、生まれたんだろう。

「お前なんか」

 死にたいのに。

「死ねばいいのに」

 死ぬ勇気もない。

「なんで」

 そして僕には。

「生まれてこなければよかったのに」

 生きる勇気もない。

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