Two
Two
次に話したのは、父だった。
正直言うと、僕はすごく怖かった。
でも言った。
「お父さん」
その日は雨で、外の雨水が地面を激しく叩いていた。
「おばあちゃん、死んじゃうよ」
今度は、試しに直球で投げてみた。
父の顔は、鬼みたいだった。それが始めに思っとことだ。
「お前、いい加減にしろよ。他人の親が死ぬとか言って、考えた事あるか? 他人の気持ち」
違う、僕はただ。
父は僕に近づいてくる。
「それ以上、そんな馬鹿げた事を言うな」
最後の時間をおばあちゃんと過ごしたいだけなんだ。
父に口答えしたのは、その時が初めてかもしれない。
「ちょっと僕の話を聞いてよ、本当なんだよ、だから最後におばあちゃんと過ごそうって言いたいんだよ」
父は聞く耳を持ってくれない。さっさとこの話を終わらせたいのかもしれない。
溜息をついて、僕に背を向けた。
その後何度も、父と母に言った。
うんざりした目で、父に見られるようになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます