Grandmother
Three
おばあちゃん、死んじゃうの? 僕は、そう思った。
小さい頃から生き物の寿命が見えるの。それを僕は知っていた。でも何もできない。
Three
小さい頃、祖母の家に戻る、僕は、そこで気がついた。意識がついてから、何度か行ったことあったけど、その時はなぜか、寿命の表示は一切なかった。
それは突然、現れた。
最初はモザイクみたいで、気持ち悪かったけど、それは徐々に形を表すようになって、僕は見えた。
ご飯が喉に通らなかった。
僕は最初、母に言った。
祖母の家にある、夏の夜庭で。
「ねぇお母さん」
母は子供に向ける優しい表情で、僕を見る。
「僕、見えるんだ。おばあちゃんがもうすぐ死んじゃうって、時間が見えるの」
母は一瞬だけ、表情が強張ったけど、それを見せたくなかったのか、僕にはその表情があまり覚えていない。
「音谷、大丈夫だよ、おばあちゃん健康だし、そんな事言わないの」
でも、本当なんだよ。
母は信じてくれなかった、でも、今思って見ると、小さな子供が冗談でそう言ったのかもしれないと、当時の母だったら、もしも僕が母だったら、そう考えるのも仕方ないだろう。
その夜、僕は夜にトイレに行く時、母と父が僕を精神科に連れて行こうか悩んでいるのを、僕は聞こえた。
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