第3話

私は 働き者の両親の元で

健やかに育ったのです


小さいときは家族で出かけ

可愛がれ 欲しいものも買ってもらい 他の人よりも 甘やかされ そして 母親の束縛の中育ちました


父親は 三交代の会社勤め 母親は内職

学校から帰るといつも母親が家にいて いわゆる鍵っ子などとは縁遠い 子供でした


小学生の頃 ピアノを習っていた時があり その、ピアノの先生は 他の学校の校長先生でした

毎週二日 グランドピアノの、前でその先生と二人で並んで 教えていただきました

私の肩を抱き リズムをとるのは左手で私の膝の上

たまには太ももでリズムをとるときもありました

友達と同じ時間帯のレッスンでもなぜか先に友達を先にある帰しいつも先生と二人きりのレッスンです

子供ながらにちょっと君が悪いなと思いながら

おくさまがいるはずなのに 何故か 私のレッスンの日は誰もいないのです


子供ながらに気味が悪いなとは思いましたが

なんせ、先生でしたので


ある日 子守を頼まれたと幼なじみを連れてレッスンに行きました


先生はこう言いました

みゆきちゃん 喉乾かないか?

いえ大丈夫です

幼馴染のみゆきちゃんは答えました

ほら るみちゃん 飲み物を取りに行こうか?

え?

いやー


ほら? 行くよ

私の手をギュッと握り 尻込みして嫌がってる私を無理に引っ張っていこうとしました

その時の嫌悪感 未だに忘れられません

キッチンへ行くとジュースを注ぎながら先生は私を椅子に座らせ 顔を覗き込むように近づいてきます

ゆっくりと 手が伸びてきて まだ小学生の私の膨らみ始めたばかりの胸に手を近づけて 触ってきました

私は俯いたままじっと堪えました

そこにみゆきちゃんが入ってきて


何もなかったように 先生はジュースを持ってまた レッスンに戻りました


家に帰った私は 親に何も言うこともなく

そのあと嘘をついて行ったフリをしてサボり始めるのです

母親に言えば大げさに騒ぎ始めるのがわかるので親には自分の心を閉ざすことを覚えていきます

中学へ入学した頃

仲良し四人組でいつも遊ぶ友達が出来ました

部活も遊ぶのも一緒


でも どこにでもある

そう仲間はずれという とても寂しい時を過ごしました



その当時はいじめ なんて言葉はありません

嫌われたくなくて陰口を、叩かれたくなくて いつも笑って 平気なふりをしていました


学校でも言葉を交わしてくれませんそれどころかコソコソ笑ってこっちを見たり何か内緒話をわざとしているようなかんじです


私もだんだん避けるようなり

たまたま 転校してきた友達と仲良くなり



ちょっとしゃれっ気が出てきてやんちゃな方向へ行ってしまうのであります


心はまだまだ 幼いのに体だけ大人になって行く クラスでは見た目も悪い方でもなく どちらかといえば可愛子ぶりっ子



なんせ 聖子ちゃん世代ですから 笑


中学三年生のある日


同じ学年でも ちょっと 昔で言えば校内暴力が盛んな頃

同じクラスの男の子や他のクラスの子達が 溜まり場になっている放課後のクラスへ呼ばれるのです

それが 罠だとも知らずに



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漆黒の華 三日月🌙 @ru12290168

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