第4話 善良な市民の秘かな愉しみ

一体、私が住んでいるこの街には毎日どれだけの痛ましい事故や事件が起こっているのだろう?その渦中にいる私はどれだけ、ちっぽけで取るに足らない存在なんだろう?ごくごく普通の善良?な方たちの、彼ら、彼女らにとって快適な日常生活を送るために必要ならば、”法律”を鼻っから、あたかも存在しないモノのように、ほとんど無意識的に共同体(ムラ)の秩序を維持するために機能させようとする、集団の意志は、全く無法地帯を堂々と闊歩しているようだな。一方的に敵視して、言葉を使って問題に折り合いをつけようとする事など一ミリたりとも、まるで頭にないようですね。まるでカフカの”審判”の主人公ヨーゼフ・Kが、ある日、突然、身に覚えがないのに、一方的に死刑を宣告され、彼は色々、問題解決のために右往左往するけど、結局、殺されてしまったね。彼は一言”犬のような死だ”と、言い残してさ。そう、カフカの凄さって、これが、寓話では全然ないことだよね。私自身、15歳のころこの作品に出合った時には、作品に魅力は感じても、それはフィクションとしてだったものね。今は違う!この物語は現実世界を描いていたんだって。切実に胸に迫り、ぐさりと突き刺さってるよ。痛いね!苦痛だね!この世界には(と、言っても、ほとんどの人たちは、何とかでも、上手く乗り切ってるんだろうね)心や体に関する救いが救済が、そう、この現世では全く絶望的で、自身が落ちるのをただ、自分自身で傍観的に唖然としながら、自らを眺めているしか、どうしようもない。どうする事も、たった一人の努力・意志では如何ともしがたい、そんな現状が厳然として存在するようですね。

つまりは、まあ、”お前なんか死んでしまえ!”という事ですか。

最後にひとこと言わせて頂きたい。

狂人たちの常識で回す世界に平和なんか来るもんか!

とね。

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