第6話 巨大猫支配階級化事件(後) ~ラストバトルを踊ろうぜ!~

 魔術戦はワガママの押し付け合いだ。

 与太話いつわ屁理屈げんそう無理矢理ひつぜんてき整合性かんれんせい接着みいだして現実感ほんしつつちかった理論じゅもんあつらえることで世界観にんしき書換のっとりを行う。

 詠唱は観客へ理論を浸透させるプレゼン。

 魔法円は観客の視座を引き上げるスライド。

 儀式道具は観客の感覚を誤認させるサンプル。

 説得力で武装した魔術論理の構築は、相手へ己の世界観ワガママを押し付けるためのアプローチだ。


 ならば、巨大な身体を持つということはそれだけで魔術戦には極めて有利だ。

 畏怖や憧憬で観客を支配した魔術師にとっては、どんな大魔術も思いのまま。

 天蓋を埋め尽くす星座となった星猫は、今や地球という矮小な惑星の支配者に等しい。

 星猫の瞼から漏れ出す極彩色の銀河光は一筋一筋の光が規定概念アカシックレコードへ作用する魔術。

 その魔術こと破損エラーの邪視は、星猫が持つ野生の好奇心を元に破壊と死のビジョンを現実化する。

 猫が有する狂気の視線はよろずを壊する凶器の死線。

 星猫が興味を示した物の末路は無残な滅亡しか在り得ない。

 可視化された災害。不可避の絶滅。それはかつて空と呼ばれていた天津の星々。

 常世を玩具箱にする権利を有した絶対者。その名を天蓋虚象神格星猫マアナ・ユウド・スウシャイと言った。




 星猫は次なる目覚めを待ち続けた。

 瞼の裏に映る夢想の光景は、次なる破滅の運命を表す。

 星猫は未来予知を夢の形態で取得していた。彼がレム睡眠の彼方で目にする風景は一切合切が正夢の末路。

 彼の夢は未来から現在へ至る逆再生の連続風景だった。

 死に絶えた星は緑に包まれ、倒れ伏した人々は立ち上がり後方へと歩き出す。

 波立った水面からは雫が弾け飛び、雨に濡れた朽葉へと吸い込まれていく。

 生体認識の垣根を凌駕した星猫にとって、時間軸は常に同一方向へ流れゆくものではない。

 寄せては返す波のように未来と過去は立ち替わる。

 これから行うべき凝視はかい。その結果。そこに至るまでの過程。その後の取るに足らぬ破滅。

 全てを知り尽くして初めて星猫は躯体を起こして歩みだす。

 ひどく矮小な覚悟と矜持に、何時しか星猫は弛まぬ自嘲を繰り返していた。

 怖れるべきものなど、最早何もないと言うのに。


 そこ######で視界が暗転した。

 目覚めではない。突然に夢の予知が途絶え、覚醒が促された。

 何故? 星猫は疑問を抱######ながらも未だ微睡みの中に居た。

 まだ先を見て######い。ならば行動すべき時######いのだ。

 けれど######も暗愚を嗤うかのよ######に夢は消え去っ######く。

 何######起き######いまま、星######の意識######目######




 星猫は目を覚ました。

 己の宿命を知らぬままの目覚めは星猫にとって看過できぬ異常事態。

 それは、これから起こる己の破滅か、あるいは己が属する世界の破滅を意味していた。

 何を視れば良い? 自我を保つために滅するものは何か? 破損エラーを起こすべき対象は何か?

 あたりをくるくると見まわす姿は、空そのものが揺れ動いているかのようだった。


 そして星猫は気付く。

 成層圏から光を纏い接近するU.F.O正体不明飛行物体の姿に。

 まるで巨大な鼠のような姿をした物体は、推力を感じさせない一定の速度で星猫へと迫っていく。

 星猫は、その存在の興味を引かれ破損エラーの邪視を以てして見つめた。

 見つめて、しまった。


「気に、しまシたね」


 視点カメラは星猫の瞳を外れ、迫り来る鼠へと移る。

 推参する第三者。予想の外から来る異邦人。いいや、予想は出来ていた。けれど、その存在感があまりにも異常なもの。

 それは、一時の主役を塗り替えるには十分な要素だった。


「スポットライトはワタシのモノ。云わばこれより紡がれるのは、気ままにゃ猫のキャワイイAVアニマルビデオではありマせん。探偵の探偵にヨる探偵のための時間。荒唐無稽の推理と解答のお時間でス!!」


 魔女探偵ナヴィーニャが尊大に吼える。

 ナヴィーニャは宇宙船鼠号の中心に仁王立ち、星猫へ向けて突貫していた。

 そしてナヴィーニャの背後には、二百五十六を遥かに超える無数の魔女達が存在していた。

 薄いカーテンの裏で出番を待つ六万五千五百三十六色の魔女は、各々まったく異なるデザインの衣装に身を包み目を伏せ跪いている。

 エプロンドレスを身に纏ったシックなメイド服姿の魔女。

 素肌に包帯を重ね巻きしたマミフィケーション姿の魔女。

 紅色に虹銀の煌きを宿したスパンコールドレス姿の魔女。

 真っ黒な猫耳フードにフリルを誂えたゴスロリ姿の魔女。

 翡翠色の軽鎧に短いスカートを合わせた女騎士姿の魔女。

 金の装身具を塗した紫色のキャミソールドレス姿の魔女。

 しなやかな身体のラインを強調するボディコン姿の魔女。

 深碧の生地の上を泳ぐ金色の龍が特徴的な着物姿の魔女。

 月白の仮面を被り漆黒の外套に身を包むオペラ座の魔女。

 明藍スーツに身を包み白銀の細剣を携える男装姿の魔女。

 無数の魔女達は思い思いの恰好で舞台に臨んでいる。統一感の無いその趣向は、猥雑とした無国籍的な印象を感じさせた。

 彼女達を支えるステージは、純白で敷き詰められた大理石の土台。その上に蜘蛛の巣模様の紅いひび割れが走り、まるで式場のような輝かしいコントラストを産み出している。


「何だこれ紅白歌合戦?」


「あっコラ要約すんじゃねえ!」


 思わず見知った例えを口に出したアーディマムがサイバーゴス的な有機的ラインのドレスを纏った琥珀眼の魔女に小突かれる。

 今の彼女は竜胆りんどう眼の魔女オルディナル。星猫を屈服させる大儀式のためにスカウトされたありあわせの魔女。その背には長らく欠番ナンバーだった六万五千五百三十四の数字を背負っていた。

 星猫はその言葉を切欠にして視点の解像度を緩める。

 数々の魔女達が待機している舞台は鼠号の背に取り付けられた特設ステージ。

 魔女達の先頭に立つナヴィーニャは、大御所を現す尊大で莫大で甚大な衣装に身を包んでおり──


「あーほら描写が簡素に寄ってきたじゃん超さげぽよ~。どうしてくれんのオルディニャル」


「いや知らねえよ! 待って何これあんた達いつもこんにゃ視点で世の中見てるの? めちゃくちゃ疲れるし訳わかんねえ。世界を文学で表現してるのか? 死ぬほど頭いたいし情報量が多すぎる」


「ああもうやむを得ませンね少し予定を早めます。多分まだ事足りルでしょうので心配はご無用の遠慮は不要情け無用のシス・テム・チェーンジ!」


 ナヴィーニャの衣装が爆発し、あちらこちらに飛散する。

 飛散したパーツはステージを中心とした座標軸上に固定されたかと思うと突如光を放つ。

 同時に舞台の幕が上がる。飛散したカメラは鼠号の周囲を取り巻いて円周を描きながら、七色のライトを発し始めた。

 彼方此方からスモークが炊き上がり、サラウンドのディスコ音楽がむくつけきスピーカーから鳴り響く。

 地揺れのように身を震わすする音響が響くと、魔女達は一斉に飛び上がり思い思いのアピールを始めた。

 玉虫眼の魔女べクィローチが無数の蝶を螺旋状に舞わせると、躑躅つつじ眼の魔女リュッケ・メーが合わせて万色の花で舞台を彩る。

 群青眼の魔女プルフィスが蒼炎を噴き出し熱烈なテンションを表現すると、負けじと太陽眼の魔女グラバーナが輝く恒星のミラーボールを産み出し眩い光を乱射する。

 紫檀したん眼の魔女ヲルジェントが宝石でライトを屈折させ注目を集め、蜂蜜はちみつ眼の魔女キャミラップがビスケット人形のバックダンサーを連れて嗅覚に訴えかけたパフォーマンスを行う。

 白銀眼の魔女テーソルニアと黄金眼の魔女テールソニアの反響ハウリング魔術からなるサラウンドデュエットは、セレモニーの始まりを告げるBGMとして高らかに響いていた。


 それは魔女達による一世一代の激熱ライブ。

 視点を魔女側に誘導し絶え間なく描写を続けることで、星猫のまじないを遍く封ずる究極の世界観ライブの押し付け。

 観客は呆気にとられた星猫。そしてその周囲に立ち並ぶ無数の死人達。それは柘榴ざくろ眼の魔女リヴル・ルヴァが召喚したギャラリーだった。

 彼女は怪盗としての死を迎え魔女の一味に組み込まれた『[闇]【★SSR】怪盗エルメシア@エウリュディケー・白スーツコス』の末路。魔女達はゾンビを観客に仕立て自作自演の盛り上がりを形成している。

 光り輝くスティックを振り乱すゾンビ達は一糸乱れぬウェーブを産み出す。巨人族タイターンに至ってはその巨躯を生かして輿こしのように絢爛豪華なファングッズを装備していた。

 象牙眼の魔女と琥珀眼の魔女によるストリートファイトのパフォーマンスが始まると、観客が灯すスティックの光は真っ二つに二色で別れる。

 蘇芳眼と蘇比眼と深赤眼の三姉妹の魔女によるデルタアタック・フィーヴァータイムが訪れれば、三色のグラデーションが回転するトライアングルが掲げられる。

 一糸乱れぬ連携オタ芸はステージを更に輝かせ、いっそう魔女の舞台を華やかに彩っていく。


 やがて宇宙船鼠号が変形し魔女達が複数の舞台へと分断されていく。合わせてファンゾンビの波はそれに合わせて各々の推しメンバーの元へと駆けつけて行った。

 鼠号は巨大な一つの迷宮ダンジョンとなり、ファン達をスムーズに目的地へと送り届ける誘導列を形成する。

 道中では金緑きんりょく眼の魔女フラッファナルが使役する猫人間ワーキャット達が売店を開いており、ファンはグッズを買い集める勢力と会場へ殺到する勢力に大きく二分され始めていた。

 迷宮を抜けるとその先には仮想立体映像バーチャルビジョンによって形成された風景を元に象られた魔女達の舞台が広がっていた。

 あるステージでは華やかなライブパフォーマンスが続けられ、またあるステージでは大道芸めいたサーカスのショーが展開されている。

 奥まったステージでは『エリジャーベト』を、その両隣では『ファウスト』と『オペラ座の怪人』をモデルにしたミュージカルが上演され、手前のステージでは格闘王を決めるKOW(キング・オブ・ウィッチャーズ)が今正に開催しようとしている。

 端っこに追いやられた補欠魔女エリアでは紅蓮眼の魔女ニーデューケが観客のいない席へ向かって演歌を熱唱しており、その隣では透明眼の魔女ハクェニムトレーを主催としたクイズ王決定戦が早くも盛り下がりを見せていた。

 天高く聳える展望ステージでは40m大の巨大な魔女、退紅あらぞめ眼の魔女サール・アーラーによる演舞が開催されていた。彼女の一挙一動でファン達が粉々に蹴散らされていく。熱心な親衛隊は必至で魔女の舞から逃れながらも、ここ一番のポイントは外さずに雄叫びを上げファン活に勤しんでいた。


 魔女の紡ぐ舞台は今や巨大なテーマパークと化し、エンターテインメントを凝縮した演出の暴力を巻き散らしている。

 その頂点に立つのは魔女探偵ナヴィーニャ。彼女は『純粋推理空間』のような真っ白の舞台に一人座っていた。

 ロッキングチェアに腰かけたその姿は、チェック柄コートにパイプを吹かしたシャーロック・ホームズの姿だった。

 撫でつけられた砂色の髪と帽子の唾から除く薄紅の瞳はシックな衣装とは対照的に白く輝いており、アンバランスな魔女そのものを示していた。

 眼下で広がる魔女の饗宴を肴に魔女探偵は言葉を紡ぐ。その声はこの場を揺らすどの音響よりもクリアで、寸分聞き違える事なく星猫の耳へと届いていく。


「今のワタシはとってもスーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャスです。では始めマしょう、天蓋虚象神格星猫マアニャ・ユウド・スウシャイこと魂猫女帝フュレィトヵータの致命傷へ至ル我らが妙手の解説を。さあそれでは皆さんご一緒に、せーの、『「『「チェックメイトー!!」』」』」


 最後の言葉を言い終えた瞬間、魔女探偵の姿は掻き消える。

 次の瞬間、魔女探偵はエリジャーべトの舞台に乱入して最後のダンスの権利を奪い取っていた。

 瞬きの間に再び魔女探偵は消え、KOWチャンピオンを叩きのめして決勝戦に乱入するヒールパフォーマンスを披露。

 その次はサーカス団の目の前で上半身と下半身別々になって踊りだし、続けて1秒間に666回レイプと連呼しながらライブステージを横断していた。

 その間も常に星猫の脳内には魔女の語る必勝の策は響き続ける。その文字列は星猫の精神を負傷させていく。


 何時しか星猫は魔女達の織り成す舞台の一部にすっかり組み込まれていた。最早愕然として魔女達の様子を眺めるしかない。

 いや、眺めているという事にさせられている。焦点を特定の何かに合わせることが出来ない。

 “何かを一心に見据える描写”が追いつかない。星猫が行動するべき手番が回ってこない。

 魔女達がパフォーマンスを続ける限りは、己の行動へ移る隙間がない──!




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星猫スウシャイは、現代の定義における新真慎神格──まあ要すルに、創造神としての属性を有しています。世界の創造主である彼は、被造物である世界に対して如何にゃる術を行使してもペニャルティを受けるコトはにゃい。奴はそういう卑劣極まる役職を掌握してしマったんですねえ」


 戦いが始まる前のこと。

 ナヴィーニャは鼠の張りぼてを塗装しながら作戦の展望を語っていた。

 鼠はドブ色の中に虹の色彩が混ざりこんだ奇妙な色合いに覆われていく。まるで油そのものが鼠の形を成していくように。


「けれど、創造神の属性を有したのはあれの勇み足でしたね。銀河規模の猫ちゃん程度に留めておけばヨかったものを。創造神と化したことで、アレは致命的にゃ弱点を抱えてしまいました。即ち、世界を主観で視認出来てしまうコトです」


「はあ。主観……主観で世界を見ると、どうにゃんの?」


 星猫の邪視に掠り正気を行っていたアーディマムは、たっぷり6時間ほど眠った後に健やかな様子で目を覚ました。

 浄化魔術師プルフィスの適切な処置パンチによって正気を取り戻した彼女は、魔女の奇想天外な挙動を前にして二度寝しようとしたが失敗して魔女の観測者に仕立て上げられていた。

 お菓子の家からもぎ取ったビスケットを齧りながら魔女の高説を聞いているその姿は、嫌いな授業を仕方なく受けている不出来な学生のようである。


「創造主は、何時でも何処でも観測者である必要がありまス。如何にゃる事象を目にしても、決して見て見ぬフリは出来ません。そこに付け入る隙があるワケですね」


「あー、うん。見たくにゃいもんも見ねえとダメってことね。前提が分からんけどまあそれは分かった。じゃあ、こっちも邪視で勝負するの?」


「邪視は使いません。アレと真っ向勝負したら負けて死にバイツァ・ダストマす。が、アイデアの路線は合っています。即ち、この宇宙船鼠号を、地の文の描写が追いつかにゃいほどヤたらめったらに脚色するのです」


「あー、んん?」


 猫の邪視は、見つめたもの全てに不具合を巻き起こす邪悪の視線。

 視線の繋がりによって発動する最速の魔術は、不可避の破滅を齎す最悪の呪術だ。

 ならばいくらでも手の打ちようはある。

 線は始点と終点の二つを結ぶことで初めて紡がれる二次元的符号。

 逆説的に、二つの点が観測不能である限りは、それを線と定義することは出来ない。

 では、物語の視点してんに猫の瞳という始点してんが描かれていないのであれば──


「その呪力は、効力を失いマす。即ち、『ずっと私達のターン』を演出するコトで、星猫の動作や反撃を全て封印するコトが出来るのです」


 アーディマムは怪訝な面持ちでナヴィーニャを見つめている。

 魔女の語る理論は常に曖昧で要領を得ず独特だ。物理法則や常識は彼女達の世界では通用しない。

 魔女が『そうだ』と語る言葉は、彼女達にとってはまさしく『そう』。一般人の『視点』からは理解できないだけで、全ては等しく繋がっている。


「そう、今のモノローグで語られた『視点』という考えが正しく当てはまるンですよ。相手の行動が理解不能な内は、視点ニャレーションは情景描写にカかりっきりとにゃり、新しい動作の記述は停止せざるを得にゃいのです」


「待って余計ややこしい。ニャレーション? って誰のこと? あとモノローグっての全然わかんねえ、誰のモノローグ? 言葉に起こして?」


「わかりやすく言えば、星猫は画面外にいる間は行動不能ってコトですヨ。つまり相手を画面外に追いやった状態でボコし続ければ一方的にこちらの勝利というワケです」


「待って待って本当ににゃんもわかんにゃい。えーっと遠くから? 長射程で? 殴る?」


「ニャヴィーニャ貴女説明下手。視点が魔女然としすぎにゃのよ。要するにこっちが突飛な事をやって、相手がビックリしてる間にぶちのめすって事」


 二人の様子を見かねて助け船を出したのは蘇芳すおう眼の魔女ミュニニクナ。

 庭園の芝生に座り込み薔薇の花を虹色に塗りなおしている彼女は、魔女にしては屈指の常識人として魔女の間で有名だ。

 そんなミュニニクナもまた魔女に翻弄される人物の一人。もぎ取った薔薇の花に黄緑色のペンキを塗りたくるミュニニクナは、本人も納得が居ないといった様子でナヴィーニャを恨めしそうに見上げていた。


「……にゃにそれ内職?」


「……わかんにゃい」


「まあ~そですね! 要約するとそですね。つまり、相手をいっぱいビックリさせるためにこの鼠ちゃンをどんどん変にしましょう作戦を発動するとこロです。さあどんどん奇抜にゃアイデアを盛り込んでくダさい。ビックリさせ続ければその分隙がいっぱいできマすよ~」


 ナヴィーニャは庭園の噴水を引っこ抜くと、鼠の背中に取り付けて固定した。

 鼠の塗装──油が滴り落ちる水を弾き、辺り一帯を水浸しにしている。噴水から水が尽きる気配はない。

 それは奇抜じゃなくて出鱈目と言うんだ、というアーディマムの言葉にも聞く耳を持たず、ナヴィーニャは噴水の天辺にトランプタワーを作り始めた。そして即崩した。トランプカードがふやけて塗装が落ち、水が黒と赤と白の混ざったブルーベリー色に染まっていく。


「要約されてもまだ意味不明ではあるんだけど……えー、ビックリって言われてもな。手品とか。ライブとか?」


「魔女探偵ニャヴィーニャ地下アイドル編?」


「にゃんで!?」


「デもいいアイデアですね頂きましょ。アイデア料としてセンターはアーディマムに贈呈します」


「え、やめてそれはほんとに勘弁して。っていうかやるのライブ? 星猫に? マジで?」


「マジでです。デジマです。ひょっこりヒょうたん島です。あと地下アイドル編も考慮に入れておキましょう」


「にゃんで?」


「アイドル路線でいくにゃら人数必要ですヨねNVI48的な? 閃きました。ぶっちゃけ使いどころニャいと思ってましたけど六万五千五百三十六色の魔女計画を再始動しましょう。とにゃれば再召喚の儀式も進めにゃければにゃりまセんね」


「あのニャヴィーニャさん結構ノリノリですけどまさか本気でやるつもりだったりしませんよね?」


「歌とかダンスは主人公補正が付いて強い相手には絶大な威力を発揮します。ヤック・デカルチャーです。あと猫は突然の光とか音とか嫌いますヨね地震とか雷とかの災害系も。つまり十分行動阻害効果がありますね! この際でスから使えそうにゃ逸話付きのは全部盛り込んじゃいマしょう」


「待てやめろ思いつきだけで行動するんじゃねえ」


「いえいえ実際歌と踊りは魔術的にモ重要ですよ、儀式としての体を成していルのですから。雨乞いなどは典型的な実例ですし、アーディマムに分かりやすいよう日本神話で例えるのであれば天照大神を天岩戸から引きずり出しタのはどんちゃん騒ぎによる物で」


「知ってるよ! それはそれだろ!? お前が張り切るとロクな事ににゃらねえんだやめろ!!」


 嬉々とした様子で構想を重ねるナヴィーニャを前に、アーディマムとミュニニクナは不安を募らせていく。

 他の魔女連中はと言えば、鼠の張りぼてをまた独自の製法で複製し始めている。

 お菓子で出来た鼠。ブロック状の土や鉄で積み上げられた鼠。鼠の形をした炎。Tの字の姿勢で立っているモーション導入前の鼠。

 無数の鼠は悪趣味な図画工作の賜物であり、魔女達の独創性が存分に発揮されていた。そこに統一性は全くない。

 アイドルと言うよりは個性豊かな魔改造的というか。暴走族が乗車を好き勝手弄り倒した挙句にスプレー吹きかけてステッカー貼りまくってる感じというか。


「……まあビックリ中に攻撃するのはいいとして。攻撃って何するのさ。チャチい手が通用する相手でもにゃいだろうし? ビックリ作戦も手が尽きたら反撃されて全部おじゃんだよね」


「そうにゃる前に、我々が動けるうチに完膚にゃきまでに勝利を演出します。魂猫女帝フュレィトヵータ最終形態である星猫は、もはや後付設定おくのてを残してイません。正真正銘のラスボスとして君臨したアレは、圧倒的パワーと引き換えに手札を全て使い果たしてしマった」


 猫にとっての到達点は、星猫そのものへと至ること。九つの命と無数の猫幻想によって、猫は既にあらゆる猫伝承のリソースを使い果たしてしまっている。


「つまり。アレを倒せば全テはお終いです。と、『断言』します」


「断、言」


「ええ。『探偵の語る理論と結論が覆る事は無い』。こレまで散々使われた定石です。今宵のワタシは、探偵の理論を使う側に回りマす。魔女探偵ですから」


 魔女であり魔術師であるナヴィーニャが騙る探偵の属性。

 それは物語を完結へ導く絶対の役者。クライマックスへと至る展開を論述じゅもんによって産み出す者。

 魔術師の詠唱じゅもんと探偵の論述じゅもんを同一視した魔女探偵は、語り紡ぐ幻想に真実を見出す力を持つ。

 物語を演出し脚本を利用する魔女エンターテイナーにとって、探偵の名は決着を約束する勇者の称号。

 ──『探偵が確信を以て語る言葉は、全て嘘偽りなく真実であり、そこに破綻は一切無い』。

 自ら産み出した物語の主役に己を宛がう不遜。

 それこそが魔女探偵の語る絶対勝利の原則だった。


「さあさあ、目一杯鼠号を脚色しましょウ! それこそ語り尽くせヌほどに! 情景描写めくらましが効いてイる限り、奴の地のニャレーションは物語を進行できません!」


 二次元と三次元、虚構と現実、無理と道理、布石と突然、因果と無垢。

 全ての関連をひっくり返して、魔女の魔法ワガママは形を成す。

 決まった結末に至るためのそれらしい理由付け。

 道理と条理を蹴り飛ばす荒唐無稽で強引な展開。

 幻想かていを演出する魔女と、真実けつまつを書き記す探偵。

 それは使い古されたストーリーテリングの究極系。

 全ての物語に異境の文法で割り込み、思うが儘の展開を編み出していく。

 一切の整合性を無視してあらゆる物語に侵入し、物語の鍵となるマクガフィンを破壊する、最悪のクリフハンガー兼デウス・エクス・マキナにしてメアリー・スー。

 その名は魔女怪盗エルメシア。

 正体不明、目的不明、謎の怪盗エルメシア。その正体は、暴かれれば何という事もない。

 怪盗にして探偵である、魔女の一人に過ぎなかったのだ。




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 そして、星猫は思った。

 ──斯様な出鱈目な存在が、この世にあってたまるものか。

 それは創造神である己の想像力を疑う行為。

 気付いた時にはもう遅い。

 己のアイデンティティを自ら否定した星猫は、あっさりとレゾンデートルを崩壊させ、白銀の子猫となって離散した。


 魔女は全ての理解を拒む。

 何者にも決して掌握されない。

 常世の創成を司る神と異邦の侵入者たる魔女は不倶戴天の仇敵。

 極めて当然の如く二者は対立し、やがてより新しい側が滅びゆく。

 魔女にとって重要なのは勝敗ではなかった。そんなものは当の初めに決まっている。

 つまるところ、如何に華々しい終焉を飾れるか。それだけが魔女の思い悩む拠り所だったのだ。




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「つまり、あれだな?藍鼠猫あいねずのねこどころか、エルメシア連中そのものに至るまで、全部お前のせいってわけだな?」


「まあそう言っちゃうと身も蓋も無いんで勘弁して下さいッて言うか。まさか面白半分で始めた事があんなピタゴラスイッチして主神級に崇められルとか全く全然なンですよ。いや本当に全然想像していナかったんですのよオホホホホ」


 魔女と吸血鬼は吹き抜けと化したクェラトー美術館に舞い戻っていた。

 地蔵菩薩傾聴画窃盗予告からなる一連の事件は、最後だけを見れば実にあっさりと決着を迎えた。

 結局救世主魔女探偵ナヴィーニャが人々の絶大な支持を受け世界の頂点に君臨することは結局無かった。

 星猫が掻き消えた時点で世界改変の影響は消え去り、全ては藍鼠猫が暴走する前まで巻き戻っている。

 『天から降ってきたナウマンゾウの化石』と『クェラトーの怪事件』が日夜を問わずワイドショーを騒がせ、空には元通りの曇り模様が浮かんでいる。

 当然猫人類とかいう頭の悪い存在も消えている。心なしか喉の調子が良くなった気分だ。にゃーにゃー言ってた頃は毛玉とかあったんだろうか考えたくもないけど。


 結果を見れば全ては魔女探偵ナヴィーニャの掌の上。

 魔女が産み出した無辜の死霊術師怪盗を踏み潰した藍鼠猫を滅ぼした魔女軍団を超えて銀河級になった星猫に初めから勝っていた魔女。インフレが激しすぎてついていけない。

 というかやっぱり初めから余裕だったんじゃないか。何だったんだ初めのやたら切迫した態度は。


「いや切迫は本当ですよ。だっていくら用意してアるとはいえ、ワタシのそっくりさんだけを観測者にするのも何かなーと思って。最前線でワタシの活躍を見てクれる強靭で素敵な吸血鬼様を求めていたのは事実ですかラー」


「眼を逸らすな。いややっぱいいこっちを見るな。結局お前の一人芝居に巻き込まれただけじゃねえか。遊ぶなら迷惑のかからないとこで一人でやれよ」


「だって、ワタシの活躍を誰も覚えていなイのは寂しいではないですか」


 驚いた。

 こんな奴にもセンチメンタルを感じるような情緒があるのか?

 曇り空のベールの向こうに輝く太陽の光を見つめながら、魔女は感情の籠っていない言葉で呟いた。それは魔女なりの本音の発露なのかもしれなかった。

 人間社会に与する人外なりのシンパシーというものだろうか。私には魔女の仕草が普段よりどこかか細く見えた。


「とか思うわけねえだろいい加減にしろよこのクソ野郎。人の脳内勝手に改竄すんな」


「あいたたもうっアーディマムってばじゃれつき上手~~~あっ無言の目潰しは止めギャーーーッ」


 どちらがじゃれついているのやら。

 そんな遊びたければカラフルな魔女共でも誘えばいいのにと思ったが、どうにもあれらからは邪見にされていて輪に混ぜて貰えないらしい。そりゃそうか。あれだけ理解不能な言動と横暴を繰り返しておいて人に好かれようと思う方がおかしい。そのくせ気に入らない事には物理的な報復を行うのだから、腫れ物扱いも打倒だろう。

 他人からの理解を頑なに拒み続ける必要がありながらも、己が存在する為に観測者を求め続けなければならない魔女。

 まるで矛盾している二つの真理を抱えていかなければならないのだから魔女も相当に難儀な存在だ。銀や流水や太陽が苦手な吸血鬼の身体も十分厄介だが、魔女に関しては概念的な分余計にややこしいかもしれない。

 謎を孕みつつも観測され続ける立場を求めるのであれば、怪盗という立場は正に理想的なものだろう。けれど今の彼女は自称探偵という位置に固執している。

 探偵は、究極的には『謎を解くための舞台装置』としても完結できる存在だ。探偵を名乗っているのは、そんな己の宿命からの脱却を意味しているのだろうか。


「そんなモノ、今更聞くまでもナいでしょう」


 私の胸中を読み解いた魔女が平然と答える。


「探偵は面白く艶めいて手垢が付いた存在ですから。ただ、ソれだけです。それ以上の理由は、何もありませン」


 宵闇の中で、魔女の薄紅の瞳が輝いた。

 魔女の真意は誰にも分からない。

 彼女が語る言葉さえ、真実である保証はどこにもない。

 けれど、その天衣無縫を体現するような放蕩さは、魔女の本質を確かに表しているように見えた。




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ナ「ナヴィーニャと!」

マ「マユクニトの!」

二人「★☆なぜなに☆★魔女探偵コーナー!」

ナ「あンらーマユクニトちゃんおっひさしぶりー! いやあここ最近ね。あれね。性格最悪遡行も最悪改悪罪悪バイアクヘーなゲストばっかで困ってたノで砂漠でオアシスを見つけた気分です。オヨヨ」

マ「久しぶりですねせんせー! いや本編では割とずっといますけどね。それはそれとして適当に韻を踏んでラップする癖止めた方がいいですよ。可読性が著しく減ります」

ナ「カドック・ゼムルプス?」

マ「可読性です」

ナ「カードキャプターさくら?」

マ「可読性です」

ナ「マユちゃんちょッと見ない間にツッコミが事務的になってきテない?」

マ「事務的にツッコミせざるを得ないこっちの身にもなって下さい」

ナ「初期の私に叱責さレてワンワン泣いてたマユちゃんが懐かしくも愛オしいです。オロロ~ン」

マ「やめてくださいマジで割と黒歴史に近いので。黒犬サンボなので。クロッカスなので味噌っかすなので」

ナ「ではマユクニトは日々しっかり成長しているというコトですね! 好ましくも健康的です。やはり健康が一番です! キーンコーンカーンコーン健康です。あと韻がドうこうっていうのお前も人の事言えないからな。魔女ラップ仕掛けるかラな」

マ「こう見えて美容には気を使ってますからね。美容使いクニトですから。純情愛情魔女参上ですから」

ナ「はっそうイえば丁度今回はアイドル回なのだからアイドル歌手楽屋で『やー。』ネタをやるには絶好の機会ナのでは?」

マ「それ口に出して言った時点で何にもなりませんからね」

ナ「まっ、口に出すだなンて……おませさん……///」

マ「もう帰っていいです?」

ナ「ではお便りいきマしょうねー本日はコチラのお便りです。マユクニトちゃんどうぞ」

マ「はいどーもえー今回のお便りは紅魔館の動けない大図書館さんから」

ナ「動かなイのではない……動きたくテも……もう……動けないのだ……!」

マ「動けるわよむきゅーむきゅー」

ナ「これ多分今回のオチで爆発する奴でスよ」

マ「ワタシ達も割と結構爆発してますからね」

ナ「怪盗エルメシアは魔女探偵ナヴィーニャのキックで爆発四散するノだった」

マ「サヨナラ!」

マ『魔女探偵さんやエルメシア以外の探偵や怪盗というのはいるんでしょうか? いるとしたら、どのような闘争を繰り広げているのかとても気になります。よろしければ怪盗お願いいたします』

ナ「解答が怪盗になってる!!」

マ「ばっかもんそいつが怪盗ごじだ!!」

ナ「一応これレイディオっていう設定なンですけど誤字ってどう指摘するべきなんでシょうね」

マ「レイディオって。レイディオって」

ナ「しかしソういえば我々が出ずっぱりですね。まあ結論から言えば、探偵や怪盗は他にもいルにはいます。十把一絡げのステレオタイプなのから、そうでもない連中まで」

マ「2話あたりで探偵を貶めるために目撃者を全員殺す探偵とかの話ありましたよね? あれの詳細って出るんでしょうか。」

ナ「そのへんの話はマあ、なんでしょう。近いウチ。続きが出たら。近いウチ。ナヴィーニャ心の俳句。ポエット!」

マ「自分でポエット言うな」

ナ「いやもうネタ帳自体はそこそこたまってルんですよ~仏陀探偵・豪多磨ごうだま叱樽田しったるた編とか二人目の魔女探偵編とか魔女探偵マユニクトの事件簿とか悪魔怪盗ダン・オウル編とか101人目のエルメシア編とか」

マ「えっワタシ主役の構想があるんですか素敵です今すぐ書くべきです!」

ナ「お前ちょっと見ない間に生意気になっタな?」

マ「なんか気に食わないことをちょっと見ない間の成長で全部済まさないでください」

ナ「魔界探偵編とかの構想もあルんですよ。面白いと思いませン? 異世界の生物が野菜を求めて日本にやってきテなんやかんやでワタシが向こうの世界の魔王になるンです」

マ「ドパクリじゃないですか。ダメですよ最低ですよ」

ナ「魔界大帝フェルナンデス!」

マ「魔界探偵です」

ナ「DEATH!」

マ「Die The Death!」

ナ「地獄極楽どっちが良いDEATH?」

マ「トムの勝ちDEATH」

ナ「ウィジャ盤!」cv.サトシ

マ「ダーク・ネクロフィア!」cv.サトシ

ナ「という感じで探偵とか怪盗にも種類があルんですね。わかりマした?」

マ「いやさっぱりわかってないです。種類があるんだなあ、しかわかってないです。どんな戦いしてるの? っていう部分が解決してないです」

ナ「まあそのへんの話はおいおいっていうか。はっきり言うと、まだ設定を作ってないというか^^;」

マ「(#-_-)=つ」

ナ「Σ ))゜3゜)バシィ」

マ「まあきっとおいおい出ますよね多分。わざわざこんなお便り扱っておいて出さないとかありえませんよね?」

ナ「まあおいおい。そのへんハおいおい。オイオイオイ。オイオイオイ死んだわアイツ」

マ「私が主役の話も出ますよね?」

ナ「オイオイオイオイナアナアナアナア」

マ「『密漁』をします?」

ナ「だから気に入った」

マ「作者に直談判してきます」

ナ「待って待って。こんなところで過去の状況をリフレインさせなイで。第四の壁は超えてはいけないという鉄則があるじゃナいですか!」

マ「本編で堂々超えておいて言うことですか?」

ナ「あれは読者に語り掛けテいないのでセウトです」

マ「皆さんご一緒にって言ってませんでした?」

ナ「あれはスーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャスな気分だったのでセウトです」

マ「駄目でしょそれ! もう行きますからねワタシ。出番貰えなかったら65534の魔女総動員して暴動起こしますからね」

ナ「お前そんなことシたらこの小説65534話書かないといけなくなルじゃないですか。ダメですよそういうの。これまだ合計で10万字にも届いてないンですから」

マ「いいじゃないですかこの小説続ける口実になって」

ナ「口実作ってまでやるこっチゃねえよ? 一人一言喋るだけの魔女会議の形式でいいならやりマすけど」

マ「やってもらおうじゃないですか。 本当に65536人考えてるんですか?」

ナ「やっパちょっと待ってまだ50人くらいしか設定できてナいから」

マ「十分多いわ……引く……」

ナ「夢はでっかい方がイイですよ。探し物探しにいくたメにはね!」

マ「頭カラッポじゃないのでそんなに詰め込めないんです」

ナ「言ってて悲しくならナい?」

マ「さとり世代なので」

ナ「さとり世代って名乗れバ誰でも明鏡止水できると思うンじゃねーぞ」

マ「私のこの手が!」

ナ「マッカビーム!」

マ「最早原型留めてねえぞ。ネタ多すぎて誰もついてこれてねぇーぞ」

ナ「シしし知ってますよじゃあメジャーなネタ言います。名前欄にマナマナマナって並んでるとマナカナっぽいよネ」

マ「せんせーは一度自分を見つめなおした方がいいと思います」

ナ「お前いつか六法全書の角で殴るかラな。というワケで本日はここまでと致しましょう、次回ノ魔女探偵ナヴィーニャは~?」

マ「・まだなんも決まっとらん、・まだなんも決まっとらん、・まだなんも決まっとらんの三本でお送りいたします!」

ナ「来週もまた見てくださいねジャーンケン、死ねぇっ────!」

マ「アレは安慈のフラガラッハの極み!?」


マ「そういえばメカナヴィーニャってどうなったんです?」

ナ「やっこさん死んだよ。ワタシが殺した。こんな風になあ!」

マ「ぐえー!」

メ「マユ姉ー!」

ナ「言ってる!」

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