第2話

「そんなつまらんことに一々怒るな。」

「心が冷たいな。」

それは、この世のどの侮辱にも勝るような言葉だった。貴方は私の気持ちの大きさを知らないだろうに。ちっぽけなものだろうと、適当に。

許したくないと思った。ああ、貴方にとっては下らないものかもしれないだろうさ! それでも! それでも私は! 奴らの侮蔑に腹が立って仕方が無いのだ! それを否定されると言われるなら、嗚呼、私はどうすればいい!?

私はいつも侮蔑に晒された! 貴方にも相談したはずだ! それはいつ解決するのだ! 私の怒り、困難を捨て置き、事なかれ主義で貴方はいつも手助けしようとしない! その結果がこれですよ。私は我慢ならない。周囲に否定され、侮辱され、その末に築いた私の感情、私の全て、私の世界。その何もかもをすら、否定するというのか、貴方は。

嗚呼、貴方の方こそ心が冷たいですよ。まるで氷山、いや、貴方は火星だ。ほかのクラスメートには楽しげな”火"をちらつかせておきながら私に対しては氷のよう。そんな貴方が、私は憎くて仕方がない。こんな私も貴方は嘲笑するのでしょうね。ええ、ええ、私だって貴方を嘲笑しましょう。どうせもうすぐさよならだ。全てがどうでもいい。

今までありがとうございました、センセ。

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無題 深夜 酔人 @yowaiyei

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