第3曲目 第4小節目:What Goes On
「
「そ、そうなあ……」
おれは息も
レジに並んでいる
ふむ、それにしても、だ。
こういう場合はやっぱりおれが市川の分も出した方がいいのだろうか。
うん、その方がなんというか……付き合ってるっぽい。気がする。
なんて思って、レジでオーダーをした市川(なぜかおれの頼もうとしたコーヒーも一緒に頼んでくれている)の横から、200円ちょっとを出そうとすると。
「私、自分の分は自分で出すよ?」
と制されてしまう。
「いや、でも……」
言い
「それよりも、その分2倍、一緒にマックに来よ?」
「お、おう……!」
たじろくおれたちのトレイの上には、砂糖の長細い包みが10本くらい乱雑に置き放たれていた。なんすか……?
お会計を済ませて二階に上がり、窓際の席へと自然と足を向けると。
「「あっ……」」
そこには、ピンクベージュのふわふわツインテール、みんなのアイドル(だけどミスコンは4位)の小悪魔さんが一人で座っていた。
おれたちの声に気づいたらしく、じろっとこちらを振り返ると、
「うわぁぁぁぁぁぁんたくとくぅぅぅぅぅん!」
「それで、どうした?」
市川が英里奈さんをなだめたあと、2人して
「たくとくんがえりなのこと構ってくれないから一人でマック来てたぁ……」
「あ、いや、今何をしてたっていうよりは何があったのかってことなんだけど……」
今まったく燃えてない
おれの心配などどこ吹く風で、本当に泣いてはいないくせに、スンとあざとく鼻を鳴らしてから、話し始めた。
「えりなさぁ、学園祭のロックオンで、チェリーボーイズのゲストボーカルで出たじゃぁん?」
「そうなあ……」
「あれ、すっごく可愛くてよかったよ!」
「あぁ、うん、ありがとぉ……」
チェリーボーイズのライブに突然サプライズゲスト的に出て来てYUIの『
そして、そこで英里奈さんは、かねてからの想い人であるところの
「あれから、なんか、健次の様子がおかしいんだよぉ……」
「どんな風に?」
「なぁんか、話しかけようとすると、爽やかに苦笑いしながらどっか行っちゃったりぃ……。えりなの気持ち、わからなかったのかなぁ……?」
英里奈さんはチョコのマックシェイクをずずずと吸い込む。
「いや、どっちかというと、伝わってるからおかしくなってるんじゃないの?」
「やっぱりそぉかなぁ!? だよねぇ……、じゃぁ、やっぱりダメってことなのかなぁ……。えりなもたしかにちょっと動きが早かったかもなぁ……。うぅー、もぉどっちでもいいから答え欲しいなぁ……」
ぼやきながら「ふへぇー」と机に突っぷす。
「分かるよ、英里奈ちゃん!」
すると、おれの隣で同意だドン! とばかりに机を叩いて前のめりになる女子がいた。
「ほへぇ?」
「これだけ分かりやすく言ってるのに分からないわけないよね、ってことだよね!?」
「う、うん……」
「なんでそれをはぐらかすようなことをするのかな、ってことだよね!?」
「そ、そぉです……!」
んん、なんで市川さんは熱が入っちゃったのかな?
「こっちはすっごく勇気出して言ってるんだから、それ
「そぉだよねぇ!?」
と思っていると、英里奈さんまでスイッチ入ってしまった。
「なんで男の子はそうなんだろうね!?
「だよねぇ!?」
あれあれ、市川さんの『あれ』は英里奈さんの『あれ』のことですか?
「どう思うたくとくん!?」
勢いづいた英里奈さんがずいっと前のめりにおれに近づいてくる。
「いや、
「「色々って何!?」」
ちょっと2人とも、ここ公共の場だから……。
でも実際、
そもそも、普通に考えたら
3人組で仲が良く、英里奈さんは
その関係性自体を壊したくないという気持ちは少なからずあるはずだ。じゃないと、むしろ英里奈さんが報われない。
だけど、英里奈さんの告白にぶっちゃけグッと来てしまった自分もいる。
『いやいや、
ちゃんと断るべきなのか、受け入れるべきなのか。なんなら保留すべきなのかも分からずに、それすら保留しているというのが今の状態であろう。
……おれ、いつからこんなに人の心の
「完全に脈ナシってわけじゃないってことだろ」
「たくとくんのくせになんか分かったようなこと
それは、
「むぅー……
再度机に突っ伏す英里奈さん。意外と難しい言葉知ってるんだね。
「どうしようかなあ……」
「そうなあ……」
んんーと腕組みして考えているおれたちのもとに。
「あ」「マジかっ……」
そこになんと。
「ありゃ、天才的にタイミングが悪いね……」
沙子と
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