第7話

 生まれてしばらくは、目もよく見えず、耳の聞こえも悪い、できる事といえば、食事と排泄。後は泣き声をあげるくらいか。発声器官も未発達で、何を言っても『ホンギャー』とか『フンギャー』とか『アヴァァァ』としか言えない。いい年して赤ちゃんプレイとか闇が深い感じもするが、泣き声をあげないと食事にも排泄した後の処理にも来てくれないのだから、致し方ないことだ。

 そうして気づいたことがある。

 我が母上様は、重度のヒンヌーであることに。

 ヒンヌーどころか鉄壁、絶壁なまな板だぞ。よくもお乳が出るものだ。まさに人体の神秘。片方の出が少なく、両方を飲んでようやく満足できるわけだが、それにしてもアレだ。うちの父親であるところの、母上様の旦那様は極度の幼女愛好家なペド野郎なのかと思ったものだ。


 だが、ようやく目も開き、周囲が見れるようになって気が付いた。父上様もショタだということに。

 うん、ロリの母親に、ショタの父親。こういう種族なんだな・・・・・・と。

 背が低くとは願ったが、まさかこういう種族とはなぁ。


 父上様は、クリッとした黒目に、ふくふくとした顔、とんがって長い耳、元祖エルフではなくアニメ長の長いエルフ耳、そしてくるくると巻いた茶色い巻き毛のやんちゃそうな顔つきをした男の子(年齢不詳)。

 母上様は、クリッとした澄んだ青い目に、ぷっくりとした唇、ふっくらとしたほっぺで、父上様よりも少し控えめ長さの耳でやはりエルフ耳、そしてとても光沢があり綺麗な金髪の、保護欲を掻き立てられそうな女の子(年齢不詳)。

 後は兄上様か姉上様かはわからない、わちゃわちゃと動く、かわいらしい子供が数人いるように思える。

 うん、あれだ。うちの母上様は俺以外にも複数人分の出産経験者か。母上様の体形を考えたら心配になるが、そういう種族なんだろう。うん、気にしないことにしよう。


 そして、うちの父上様は、とてもお盛んである。ナニがだって? そりゃ夜の生活ですよ。ほぼ毎日ですよ。ほぼ毎日。そりゃ子沢山にもなるわな。避妊とかの知識はなさそうだし。

 んで、父上様はただ致すだけ。致すだけ致したら後は知らんふり。なんとも悲しいものです。なんだろうな? この世界、その方向の知識は不得意なのかね。

 仕方ないので授乳の際に、あれこれと試行錯誤したのですよ。舌でコロコロしたり、歯のない歯茎でハミハミしたり、普通に吸ったりと試行錯誤を。え? ナニをかって? なんだろうなぁ? ボクは子供だからよくわかんないや。

 

 最初の頃の授乳の際は、やらないと死んじゃうから仕方ないなぁ的な雰囲気だったが、最近はいそいそと、授乳に来てくれるようになったわけです。うん、どんな努力も実を結ぶんだねぇ。この手のやつは作業になると子供に悪影響だからね。

 うちの父上様の様子じゃ、弟や妹がたくさんできそうな気もするしな。

 俺の嗜好を満たすためじゃない。これから生まれてくる弟妹のためだ。そう、これは仕方のない行為なんですよ!

 ビクンビクンと震える母上様の反応を見たいわけじゃないのです。えぇ、決してそんなやましい感情ではないのですよ!


 そんな感じで、俺の乳幼児の時期は過ぎて行きましたとさ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る