私が私が私がと私が言うので私しかここにはいない
何回も考える
私がこうしたら
私がこうしたから
私がこう思ったから
私の意思で
私の気持ち
私のために
私がしたい
私が思う
私のせいで
私が悪い
私がやった
私が感じた
全部、私
私しかいない世界
とても視野が狭い
私しかいないので
私の考えしかない
誰かの気持ちを代弁することも無く
私の気持ちを基準に考えて
私のカラーで私色に世界を染める
私が灰色言ったから灰色で
もし私が灰色ではない何かの色を言ったのなら
ここは別の色になるのだろう
私が灰色を見ようとしたから
ただの灰色になっているだけで
もし私が青を見ようとして黄色を見ようとして赤を見ようとしたのなら
きっとそれはカラフルな世界を彩っているのだろう
しかし私はどれだけ願おうとも灰色しか見えない
どこかで灰色しか見ようとしていないのだろう
どれだけカラフルな色を思い出そうとしてカラフルな色を見ようとしても
全てが灰色で、全てが灰色の濃淡で、全ての色が灰色に変わっている
私がという言葉が嫌いで
私もそう思うと言ったり
私だとしたらとか、私のことだけど、という結局は私がと言っているのと変わらないのに取り繕おうとする。
いつまでも私のままで。
いつまでも灰色のままで。
それは私が願ったこと。
それは私のせいでそうなっていること。
私が受けなければいけない罰で
私のために用意された色だから
私はすべてを灰色にして
全ての彩を犠牲する。
誰かのためという偽善を働いて
私は私のために灰色の世界に居続ける
それは私が、私だけしか、私という気持ちを理解できずに
他者の気持ちを理解できない私が受けなければいけない罰
誰しも他人の気持ちをうかがい知ることは出来ないが
想像することは出来るだろう
聞くこともできるだろう
それを射貫くこともできるだろう
ただそれが出来ないだけで
私は灰色の世界を選んでいる
選んだ記憶はないけれどきっと選んだのだろう
息をするように
誰かと同じ色を共有することよりも
灰色の世界を選んでいた
私が、私がと私のことだけを考え続けた
それが私
私のために私が用意した世界
灰色の世界は
私の自己満足で
私の不安を駆り立てる
私だけの世界
いつか自壊するまで
いつか灰色という色を失うまで
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