取り繕って笑顔を見せる
私は会社へと向かう
私が私であるために
生活するために
私が社会の中で生きていることを感じるために
まだ私は生きていると感じている
そのために会社へと行く
すでに家と会社を往復する日々かもしれない
それでも私が思うのは
会話をすると灰色の私でも生きている心地がする
まだ私にも戻れる場所があるような気がする
一か所に依存するのは良くない
分かっているから他に何かないかと探してみる
私にできることは無いけれど、出来ることを探してる
いつか何かを掴めるような気がして、何かを探している
何も無いから何かが出来るように頑張る
方向音痴で、運動音痴で、機械音痴で
それでも出来ることがあると思う
好きなことがある
言葉を紡ぐことは出来る
語彙は無いけれど、私の知っている言葉で私の言葉を紡ぐことは出来るから
続けていればいつか何か形になるのかもしれない
ならなくても自分自身の心の中での支えになればいい
そう思っているけど、私の心は灰色で
微かに光りそうな希望でさえも灰色に染めてしまう
何かに依存して
何かを食いつぶして
何かを消耗させて
何かが無くなるまで気が付かなくて
失敗して凹んでいると心配されるから
取り繕った笑顔を見せる
見せかけの笑顔はすぐに破られて
取り繕った笑顔はすぐに曇り
曇った顔からは嫌悪が産まれる
それを見た人は私から離れて
私はそれを察して私を見た人から視線を逸らす
近づかないようにして
何事も無かったかのように私はいつもを装う
あなたが元気でいてくれることを願いながら
私は灰色の世界で灰色の気持ちを灰色で上塗りする
いつまでも変わらない
いつまでも灰色のままで
灰色の会社は
きっと私以外は灰色ではなく
私が灰色にしてしまっただけで
私が灰色にすることをどこかで望んでいるからで
きっと灰色ではない世界のどこかで
灰色ではない色彩をまとっているのだろう
取り繕った笑顔から見える世界は
灰色しか見えない
灰色の心に染まった私には
取り繕った笑顔しかできない
笑う顔には福が来ると言うが
私に来た灰色は私の取っ手の幸運なのか
それともただの灰色なのか
それは私が決めることなのかもしれないが
私が今ここで取り繕った笑顔を続ける限り
灰色は灰色でしかなく
いつまでも灰色の笑顔は誰の心にも響かない
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