救いは無い、救いは要らない、だが救われたい

 誰かといるのは嫌だけど、一人は嫌だ。


 誰かが自分の話をしているの嫌なのに、自分は誰かの話をしている。


 関わりたくないと思っているのに、関わらないといけない。


 自分を縛る人は嫌なのに、誰かを縛ろうとしてしまう。


 傷つけたくないからという言葉を言って自分が傷つきたくないだけ。


 思春期の拗らせた思いを引きずって、いつまでも忘れられない。


 こんな感情は卒業している人がほとんどのはずなのに。


 何も思わなければ何も感じなければ、灰色だったら。


 きっとこんな時に誰かが声をかけてくれたらそれに甘えてしまうだろう。


 そんな状況もいいんじゃないかと思っている私が居る。


 でもそれはダメだと思う私もいて、誰かが私を救いに来てくれたとしてもその誰かを私は灰色にしてしまうだけだろう。


 救いは要らない。


 でも救いは欲しい。


 来て欲しくない。


 でも来て欲しい。


 私はダメだから。そう思って、灰色の世界へとこもる。


 ここにいれば余計な色が見えることは無い。


 何かに憧れてその色になる必要は無いから。


 私の灰色は他の人も灰色に変えていく。


 とても危険な劇薬。


 だから私は一人で綴り続ける。


 今日は誰かと遊んだ、こんな話をしたということは無い。


 灰色の世界で、灰色のご飯を食べて、灰色の水を飲む。


 ただそれだけ、ただ灰色に染まっているだけの私。

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